修学旅行
赤塚さんはセクハラ行為受けているらしい、だが自分に助ける義務なんざないし自分は優しくない。
だが先生は許せない こんな自分にも怒りはある、いや短気なくらいだ、
「赤塚さん、トイレにしては長いよね」
{え、、あ、なんで行ったこと知ってるの、、?}
赤塚さんと共に先生の表情がこわばる
赤塚さんのブレザーの右ポケットの膨らみはハンカチだろう 右ポケットに水がついているのはハンカチを取り出そうとしたときについたもので、今さっき手を洗ったのは明白、
そしてここ周辺にある手を洗える場所はあそこのトイレくらいだ
確かあそこのトイレは男女共用のタイプだったので辻褄はあう。
そこで先生はブヒブヒ言っていたのだろう
「まあいいや、赤塚さんの班とは別れてしまったの?」
{え、、あ、班のみんなとは一時的に別れて先生とお土産を、、}
なんとなく青木先生をひるませたことができたので怒りはなくなっていた。
「そう、まあそれだけ じゃあね、、」
{まって、、私も一緒に行っていい?}
あまり乗り気ではないが、成人男性に迫られる恐怖は男の自分にはわからない、それに青木先生の苦い顔をもう少し拝めそうだしな
「あい、、」
{ありがとう、、}
(ちょっと先生集合かかっちゃったからいくね!!!)
喋らないと思ったら第一声がこれか、屑だな。
赤塚さんは少し微笑んですくんだ肩が下に落ち自分にこう言ってきた。
{ねえ、私がトイレに入ったの見たってことでしょ?、ならもう知ってるってことだよね?}
「見たわけじゃないよ、赤塚さんの、、いやなんでもない」
自分自身が理論ガチガチ野郎とか 個性を持ってるとおもわれるのは自分の理想ではない。
{そう、助けてくれたってことでいいのよね?}
「どうだろう、見捨てるのは罪悪感を感じるからね、それに人助けは幸福度をあげて免疫力を高めるし、自分の為かな」
{君素直じゃないなぁ}
なんだよ、お姉さんみたいな喋り方しやがって、、こういう奴は嫌いなんだ、
自分たちは成り行きで二人で京都の街を歩き一日を終えた、案外共通した話題を知っていて、知っていた赤塚さんよりも面白い人だった、夕方になりホテルの中で別れを告げる、
{今日は久々に楽しかったよ! 男子は私のことを変な目でしか見ないからさ。、良かったら連絡先とか、、、}
「いいか、自分と一緒に歩いたことは誰にも言うなよ、それと連絡先の答えはNOだ」
{そう、そういうと思ってたよ、これ、、今日を忘れないでね ママからもらったんだ 良くわからないけど大切なものなの あげる}
そのストラップはコインのような形で薪を担ぐ男性の姿が彫られていた、恐らくドイツのものだろう 日本では月の海といわれる部分(黒い部分)が餅をつくウサギに見えるが、
ドイツでは薪を担ぐ男性の姿に見えるといわれている。
赤塚さんの顔立ちとストラップの持ち主をママと言っていたのでドイツ人と日本人のハーフなのだろう。
「ドイツ人のハーフなんだね、そんな気がしてたよ、そんなに大切なものもらっていいのか?」
{凄い なんでわかったの? ストラップに書いてあった?変な人、 うん、捨てたりしないでね}
「ああ、メルカリで相場を調べておこう。」
{ちょっと!?}
そうして無事?に一日目が終了した。
2日目も何故かバッタリ赤塚さんと合い 二人でぶらついていた、この子とは何かと縁がある気がするし、少しだけ気持ちが安らぐ。
気が付くと自分は赤塚 愛梨のことを赤塚と呼んでいて、連絡先も交換していた、そしてまた一日が過ぎていた。
最後の日は他のクラスと交じり合って男女でダンスをしなければならない、それが終われば帰りだ
きっとこれは自分の学生生活一番の思い出で最初で最後の思い出なのだろうと感化すると布団についた。
気が付くと朝で、流れるように時は進みいよいよダンスの時間、 女子は誰も
自分を誘ってくれない、寂しいとは感じないし悲しいとも思わないが、クラスメイトと違う、
自分だけ青春を過ごしていないような気がして劣等感が残っていた。対して赤塚は入れ食い状態
男子に囲まれていた。だがその臭そうな群れを突き放し赤塚はこっちに来て誘ってくれた、男子たちは驚きを隠せない様子でこちらをにらんでくる。
「どうした、こっちくんなよ」
{そんなこと言わないでさ 踊ろ!}
確かに赤塚はいい奴だが、少し話した程度で馴れ馴れしくしてくる人は嫌いだし、自分がほかの男子から嫉妬の念を買うのを承知しているはずだ
「はぁ 少しだけな」
感情に対し逆の言葉が出る、赤塚と踊っていると袖が捲れた瞬間にキズが見えた、リストカットだろうか、
先生から色々されていたし本人も悩んでいるのだろうか、明るい彼女が腕を切るシルエットを想像すると胸が痛んだ
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