第7話:真実の愛
シャクマ=ノブモリが放った3連射の矢は次々と、
(つくづく規格外だな、こいつはっ! くっそ……、こんなことなら、見栄を張らずにS.N.O.Jから神話クラスがなんとかっていう武器をもらっておくんだったな!!)
シャクマ=ノブモリがこの世界に招かれた時に、始祖神:S.N.O.Jが気を利かせて、
(あの時の俺は、恰好つけちまったんだよなっ! S.N.O.Jの横に銀色の流れるような髪をした女性が立派な玉座に座っていたからなぁ! あー、俺は本当に馬鹿野郎だっ!)
シャクマが心の中であの時の自分を罵倒しながらも、
シャクマが持たされていた小袋の中の紅い
そして、考え抜いた結果。
「だめだ。降参だ、降参。俺の役目は皆を逃すことだ。それが成ったんだから上等だろう」
シャクマはそう言って、ふてくされた表情で、その場であぐらをかいてしまう。
「姫。短い付き合いだったが、楽しかったぜ? あーあ。こんなことなら、もっと姫に言い寄って、乳を吸わせてもらっておきゃ良かったな」
シャクマは満足した顔つきであった。やることはやりきった。それならあとは見事に死ぬだけだと。
その時であった。
「シャクマーーー!」
なんと、逃がしたはずのアキヅキ=シュレインが緩やかな斜面を転げそうになりながらも駆け上ってくる。そしてあろうことか、まさにシャクマの命が風前の灯だと言うのに、彼のすぐ近くへと駆け寄ってきているでは無いか。シャクマはそんな行動を取るアキヅキに驚きを隠せない。
しかし、無情かな。身を寄せ合う2人に向かって、
――汝。真に愛する男を見つけたか?――
(何かがわたしの心にささやきかけてくる?)
――汝。真に欲する男を見つけたか?――
(あなたは一体、誰?)
この謎の囁き声が聞こえている時、アキヅキの眼には全てが止まってしまったかのように映っていた。
――我が何者など関係ない。汝と共に居る男は、汝が命を賭してでも、生涯、愛し続けることが出来る男なのか? と聞いている――
(わからないわよっ! そんなこと……。シャクマがもしかしたら、浮気をするかもじゃないのっ!)
――くっくっく。それは面白き返答也。その男が不貞を働いても、汝はその男を愛することが出来るのか?――
(うーーーん。ちょっと自信が無いかもだけど、きっと、シャクマだったら、わたしは許しちゃう。だって、わたしはそういうところも含めて、シャクマが好きだから)
――なるほど。良い返答である。では、汝に武具:
「
アキヅキは何もない空間を、そこに剣の柄があるかのように両手でしっかりと握りしめる。その構えのままにアキヅキが時計の右回りに身体ひるがえすと、何も無い空間を割るかのように、青白い光で出来た刃が生み出されていく。
その青白い光の形状は体長が20メートルもある白鳥の羽の1本のようでもあった。硬いのに、しなやかで、それでいて全てを薙ぎ払う。そんなことをイメージさせるには十分であった。
「申請許可が降りたわ……。『
彼女がそう叫びながら、
だが、アキヅキは構わずに
「わたしはシャクマを愛しているっ! 共に生きていくっ! 『
彼女がそう叫んだときであった。青白く光る
そして、その強大な刃は
アキヅキは吼えた。何度も『
アキヅキは身体に残されていた力を全て使い果たした時、
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