第2話 再会

目覚ましが鳴り起床し賞味期限が近いトーストに昨日買ったばかりの生ハムを乗せて食べようとしていた。俺の生活は起きて食って出して風呂に入って寝て終わりだ。普通の奴と違いはただ俺はここに労働というものが入っていないだけである。当年で十七歳になるが学校にも行く気はなかった。俺は誰にも見つめられず死にたい。


そんな事を考えていた朝だった。トーストをもう一枚食べようとした時家のインターホンが鳴った、まるで甲高いソプラノ歌手が頭の中で歌ってるような音が部屋に響いた。


ふと部屋の時計を見ると九時をぴったりに指していた。俺はトーストを皿の上に置き

何もない廊下を通り玄関に着きドアを開けた。


「なんでしょう」


そこに立っていたのは昨日の金髪の女だった。少し雰囲気が違くて一瞬分からなかったがすぐに気がついた。


「君、人らしい対応できるじゃん」


一体こいつは何様のつもりなんだと思いながらもぐっと堪えた。


「何の用だ、そしてなんで俺がここに居るって分かった、お前どうして俺の頬を叩いたんだ」


俺は頬を触りながら問いかけた。


「君、意外とねちっこいのね、私は木更津 ゆ

みな二十歳お前じゃないわ、とりあえず中に入れてもらってもいいかな」


自己紹介を終えると半開きにしたドアを無理矢理こじ開け玄関に入って靴を脱ぎ始めた。


「勝手に入ってくんな今すぐ出ていけよ」


「お邪魔します。聞きたいんでしょ私が君を見つけた方法を。それに玄関で金髪の可愛い女の子と喋ってるなんて御近所さんは、朝っぱらから如何わしいお店に電話して女の子呼んでるなんて勘違いされちゃうよ」


玄関で座って靴紐を解きながら説得された。俺は何も言い返せず、溜息をついてトーストを食べていた椅子に逃げるように座った。


ゆみなはすぐにリビングに来て俺が座っている対席に堂々と座った。


「君、本当にここで生活してるの、物がなさすぎじゃない私達が座ってるこの椅子とテーブルとそこのソファーしかないじゃない」


俺は気怠そうな表情になった。


「そんな事どうでもいいだろ。早く用件と俺を見つけた方法を言え」


ゆみなは口の端を吊り上げ俺の方を睨みつけた。


「生意気だなガキンチョ、そんな頼み方じゃダメまず、君の名前と年齢そしてなぜ部屋に物が少ないのか教えてもらってから本題に入りましょう。自己紹介は一般常識よ」


俺は人の家に勝手に入るのが一般常識なのか突っ込みたくなったが、面倒くさいのでやめた。


「俺の名前はかなた、年齢は十八歳だ。

物が少ないのは両親が死んでからこの一軒家に残ってる物を売って今まで生活してたからだ。以上だなんか文句あるか」


するとゆみなはすぐに立ち上がり座っている俺を泣きながら俺の頭を撫でた。暖かい手はほんの少しの間俺の身体を動かなくした。

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