こあい

 昨夜、お友達が心配して声をかけてくれたので、眠れた。

 しかし4:14AⅯに目が醒めて、これをかいている。

 昨夜、寝る前に母がベッドでスマホをポチポチいじっているから、なにかと聞いたら、施工屋のメールに返信しているという。

「少しでも、施工屋の心を安らげてあげようかと思って」

 というのだが、腑に落ちない。


 どうなっているのだ、母の神経は。

 わたくしは恐ろしくて独りで寝られないから、母の部屋にマットを敷いて床に寝ているのに。

 今また、どうにかなるのではないかと、恐怖に震えているというのに。


 思うに、施工屋は、母をカモにしている。

 お金を請求すれば、いくらでも手に入ると思って、今後もつきまとうのではないか。

 メールに返信などすれば、警察に言った場合、

「奥さんとわたしはメル友です。合意の上でやりとりをしていました」

 などと抜け道にするのではないだろうか。


「末期ガンなどというのは、よろしくないのでは」

 というメール一通を書くのに、母は慣れない手つきでスマホをいじっている。

 これがいい方へむかうといいのだが。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る