きらめきの中で……（平成最後のひと月限定エッセイ）

食欲がなくなるなあ！

　ごめんなさい。ごめんね。先に謝っておきます。

　不愉快な話になるかもしれません。

　NHKのNEWS。

　おいしい焼き鮭を、母が誤って炊いてしまったもち米と一緒に、もっくもっくと噛んで味わっていたのに。

　TVでは残酷な知らせが延々続いている。

　千切りにした根菜をざっくざっくと噛みしめているのに。

　二十代の女性がコンビニの便器に（ごめんなさい）赤ん坊を産み捨てていったと！

　大好物のマカロニサラダが、一気にまずくなった。

「なんで避妊しないの？」

　母に聴いてしまうわたくし。

「さあねえ」

　母はぼんやり。再び問うと、

「二十＊歳だから……」

　んっ？　年、関係あるのか？　大人ならなおさら分別つきそうなものなのに。

「一人で育てられるか、自信がなかったっていうけど……」

　自信がなかったら、避妊すべきじゃないのか？　わたくしは素朴に思う。

「大体、一人で子供作れるわけじゃないんだし。男の方にも責任があるでしょ？」

　父親はどうしているんだ、という話である。

　認知してくれなかったのか。（そうであろう）

　とすると……、極論であるが、

『なんで産んだの？』

　ということになる。

　産まれてきた子供も、長じてのち、疑問に思わずにいられないであろう。（それまで生きていれば、だが）

『なんで、産んだの？』

　狭いせまい。世界がせまーい！

　支援センターだってあるし、妊娠できないで悩んでる人々もいるし、子供は手放すことになるかもしれないけれど、手を差しのべてくれる道はいくらでもあったろうに。

　何十年も前に（世紀末）トイレの下水に産み捨てられた胎児じゃないんだから！

　ちょっとこれ、ひどすぎない？　あまりに残酷すぎて、吐き気がする！

　多分、一人で育てる決心してたとしても、出生届とか出さずに、無国籍児になったりとか、してたかもだよね？

　どうして!?　わからない。

　こわい！