ボノロンが好き

 4月15日の今日、セブンイレブンに行ったら、2月発行の古いボノロンが置いてあった、ので。


 それを一冊手に取ってレジへ行く。5Mくらい離れたところから声をかける。


 基本わたくしはフランク。(まあ、挨拶くらいはね……)


 相手は主婦兼パートアルバイトですー、って感じの女の人、が、二人。


 片っぽは今まさにお客さんの相手をしていて、手がふさがっているので、わたくしはすぐもう片方の女の人に話しかけた。


「あのー、ボノロン置いてませんか?」


 すると二人の女の人がかわるがわる応対してくれる。


 いや、どっちかでいいんだけど……。


「そこに置いてありますよ」


「こちら、古いんですけど」


 とわたくし。手に2月号を持って見せる。すると、


「二カ月に一回の発行なので」


 と言うので、おかしいなと首をひねるわたくし。


「今日は4月15日ですよ?」


 当たり前に言ったら、バイトさん方、あ! っていう顔をして、レジの奥から茶色い紙包みを持ってきた。


 パチンパチンとはさみで梱包を解くと、中の一冊をとりだして、わたくしの手にある2月号ととりかえてくれた。





 帰る間も惜しくて、車の中で読んでしまった。


 母に内容を説明すると、


「ああ、あるわね。よくあるある」


 と。


 作者さん、ネタが詰まったのかと思うほど、あるあるだったので少ししょんぼり。


 これでは、ボノロンを知らない人に勧めても、


「あるあるじゃん!」


 ってハネられそう。


 でもこれ、親子のコミュニケーションのための物語だから。


 大人にはわかっていることでも、お子さんがたは知らないから。


 こういう当たり前のことを例に挙げて、あなたが主人公だったら、どうする?


 どうしたら、主人公は友達を失わずにすんだと思う? って、子供さんに考えてもらうのも、大切な読書体験だから。


 これでいいのよ!


 童話なんだから。


 ああ、でも子供に還ったように、読めたらいいのになあ。


 リアルタイムで子供の時に読みたかったなあ(ちょっと寂しいなあ)。

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