堕ちた魂と救い
これは、書かないほうがいいんじゃないのかなあ、と思っていながら、どうしても他者様のご意見を賜いたくて書いてしまう。
まず、今の自分は弱っている。こんな夜中になるまで、はっきりとした答えが出せず、カク決心もつかなかった。
魂が死んだ瞬間のことである。
赤城クロ氏は、著作の中で「オレの精神はしんだ」とドラクエ風にギャグを飛ばしていらっしゃるけれど、
(コチラ)→ https://kakuyomu.jp/users/yoruno_saraku
わたくしのそれは、本当に作家としての魂が堕ちたという話なのだ。
わたくしの中には、上から目線で運命を突きつけてくる声がしている。
「AかBか、おまえはAだ」
と決めつける声が。
ノイローゼと言われても仕方がないが、これは幼い頃からなので、一応は社会生活に支障はなかった。
が、わたくしはこのAかBかという問いに逆らった。
内容は、一定の思想にもとづく(つまりイデオロギー)主張をどちらの立場から発表するのか? というもの。
ようするに、右派か左派か、それともオ*ムかというような選択に迫られたのだ。
恐ろしいことだが、わたくしはイデオロギーに詳しくなかった。
そして、自分が作家として多くの著書を発表するためならば、危険思想に染まっても売れたい! という極論に達した。
その時点で、わたくしの魂は堕ちたのだ。
公募に思うような成績が出せず、そのくせちっちゃな賞などもらって、ステップアップしているという実感がそこはかとなくあったので、己の野心に負けて人道的な道から逸脱してしまったのだ。
そのときわたくしは不幸だった。家族から「社会不適合」の烙印を押されたようなもので、どうしても自分の価値を他人に示さなければ、転落する一方だったのだ。
そしてわたくしは願った。死ぬまで現役で、トップに立ってみせると。
苦しいからこそ夢をみた。他人を蹴落とす気はなかったが、自分こそが認められたいと望んだのだ。
それにはなにをどうすればいいか。どんなテーマで、どのように書けば、自分は昇ってゆけるのだ? ……はっきりとした答えが得られないまま、頑固に『売れたい」「売れるものを量産したい」と思い続けていた。
書いても書いても、受け入れられない。
思えば、作家として堕ちているのだから、当然だ。
わたくしは成功したかった。成功すれば、何もかもいい方へ変わると信じていた。
成功しなければ、自分の価値をしめさなければ、早晩ダメになるのは目に見えていた。魂が死ぬと思った。
そして占い師に出会って、相談した結果、「WEB小説を書くとよい」との回答を得た。
そのときちょうどカクヨムが始まったので、半信半疑で登録した。
このサイトはおもしろく、可能性があると信じたので、あれこれやってみた。
すると、そこにはいろいろな作家さんがいて、その思想に触れて、わたくしのかたくなな心が打ち崩され、書くことを純粋に楽しむようになった。
当時はまだまだ、書こうとするのにもがいていたので、ヨム余裕がなかった。
しかし、少しずつカクヨムのシステムが充実し始め、他のユーザーさんとの、ちいさな関わりがほんの少しずつできていった。
決して万民にとって、わたくしは好い作家ではなかった。それに気づかされた。
今はターゲットを絞ることも憶えたし、自分の得意分野を見つけるのに忙しい。
そして、作品を受け止めてくれる人への感謝と、歓びを感じている。
今、わたくしは愛しい人のために、童話を書いている。
母を喜ばせたい一心で、連作を書いた。
ヤル気がみなぎって、9作まで書いたのだが、彼女が10作目で切り上げたら? と、いうなれば「打ち切り宣告」を受けた状況に陥ったので、時間をおいて一区切りつけた。
わたくしの作家活動は今始まったのだ。もう、あんな馬鹿な質問には頭を占拠されたりはしない。
伝えたいことを伝わるように。それが以前のやり方だった。
今は伝わる言葉で伝えられるようにカク。
それのためには、売れるか売れないかなど、二の次三の次だ。
そして、人々の心を打ち、愛される作品を書くことが、今の目標である。
それができたら、そのときこそ、わたくしにとっての成功なのだ。
ああ、わたくしは本当にカクヨムが好きだ。ここへ来てよかった。
バイト先でこづきまわされるより、よほどみになった。感謝の気持ちでいっぱいだ。
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