第二話
彼女が亡くなったと連絡が入った。すぐに自転車へ跨り、僕は病院へ急ぐ。
部屋には微動だにせず横たわった彼女がいる。それを目の当たりにした僕から、色が失われた。
今日は桜を見に行く約束だったろう。
珍しく天気予報は外れて、空は晴れているよ。
ねぇ、目を開けてくれよ。
ふと彼女の枕元に目をやると、ボロボロになった一冊の日記帳がある。僕はそれを手に取り、思い出と共にページを捲っていく。
嬉しい、楽しい、悲しい、苦しい。様々な感情が書き連ねられたそれを見ていると、彼女はまだ生きているのではと錯覚させる。
そして、僕は最後のページに指をかける。日記の書かれた日付は、昨日が最後だった。
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