第9話 奏斗の答え...
奏斗は言った。
「こういうのはさ、勢いでするもんじゃないと思うんだ。」
すると、さっきまでのように酔っていた感じとは違い、少し小さな声になって言った。
「けど、わたし...先輩のことがずっと...」
俺は、彼女の言葉を遮るかのように
「ごめんな、その言葉には答えることが出来ないや...」
「先輩...」
「とにかくだ、今日は時間も遅いしここに泊めてやっから、明日に備えて早く寝るんだ。」
「わかりました。おやすみなさい。」
「おやすみ。」
『本当にごめんな、けど今の俺にはあのゲームがあるんだ、それに君を巻き込むことはできない。』
そう心の中で呟いて、布団に入った。
美波は
『振られちゃった...けど絶対に諦めないんだから。』
夜が明け
俺は目を覚ますと、何やらいい匂いが鼻を刺激してきた。
「先輩おはようございます!」
「あぁ、おはよう。」
「朝ご飯もうすぐできるんで待っててくださいね。」
そういい匂いの正体は、美波の作っている朝ごはんだった。
「ありがとう、気を使わなくてもよかったのに。」
「泊めてもらって何もせず帰るのはさすがに...」
「そっか、ありがたくもらうことにするよ。」
そういい、二人で朝ご飯を食べ、仕事の準備をしだした。
「朝ご飯ありがとうおいしかった。」
「先輩に褒めてもらうと自信がつきますよ~」
「まぁ仕事では、褒めないけどな。」
「えぇ...ほめてくれないんですか?」
「よっぽど、よかったら褒めてやるよ。」
「頑張りますね!」
「あぁ」
昨日のこともあり、気まずくなるのかと思っていたが、案外美波のほうがケロッとしていて安心した。
そんなこんなで、家を出る時間になって仕事にお互い向かおうとした時だった。
「先輩!」
俺は呼ばれ美波の方向を向くと、唇に柔らかい感触が伝わった。
俺はあまりに突然の出来事にきょとんとしてしまった。
「先輩、昨日のことは忘れませんからね~絶対私のこと好きにさせるもん」
と言い残して先に駅のほうへ走っていった。
Hunting Romance Saga 七町優 @my0629nana
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