第7話 現実で...

教育係を任された奏斗は、頭を抱えていた。


何故俺なのだと、よりによってこのタイミングなんだと。


そうこう考えている間に、顔合わせの時間がやってきた。俺が珍しく緊張している、まぁ仕方ないだろう。


俺は会議室で先に待っているようにした。


コンコン


ノックが聞こえ一気に緊張が走る。


「失礼します。」


「どうぞ。」


「はじめまして、今日からお世話になる中村美波です。」


「教育係の飛馬奏斗です。よろしく。」


一見普通の顔合わせに思えたが、俺は驚きが隠せなかった。なぜなら目の前にいる彼女は同じ大学のサークルの後輩だったのだ。


容姿端麗でサークル内の男のほとんどは、それはもう夢中で...まぁそれに対して一切興味がなかった俺も俺だけど。


挨拶を終えたのでこの部署について案内しようと、カバンから資料を出している時だった。


「まさか先輩が教育係だなんて。」


「あ、覚えていてくれたんだ。」


「覚えてますよ~だって先輩だけですよ?」


「なにが?」


「まぁいいですよ~おいおいわかると思いますよ。」


「そうか、じゃあ説明に移ってもいいかな。」


「はい。」


彼女は仕事モードへと切り替わった。さっきまでの雰囲気とはまた違う感じだ、確かに綺麗だ...またこれは社内の男性社員を虜にするんだろうな。なんて考えながら、説明を終えた。


「じゃあ今日はこの説明で終わり、もう帰ってもらってもいいよ。」


「わかりました、この後って時間ありますか?」


「あぁ、5時以降なら空いてるけど...」


「もしよかったら、少し話をしませんか?」


「わかった、じゃあ待っといてくれるかな?」 


「はい!」


なぜ、誘われたんだ?まぁ歓迎会を兼ねて、ごはんでも連れてってやるか。




そのころ美波は...




まさかこんなところで...また会うとは...






各自思うことがあるのだった。


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