第4話 ゲームの体験

ゲームの体験をするということになり、参加者全員が10階へと集められた。


やはり周りを見渡す限り、そこそこのルックスの持ち主ばかりだ。こんなところに自分がいるとただでさえ、普通なのにもっと平凡いや、むしろ悪いようにとられる可能性が......まぁそんなことよりだ、多額の借金だけは勘弁したい。


10階に行くと、一週間前に届いた酸素カプセルのような機械が大量に並べられていた。

「これより、皆さんに一斉にログインをしていただきます。IDカードをお配りしますので、しばらくお待ちください。」


その場で待っていると、女の人が一人一人にIDカードを配っていっていた。俺にも渡され、見てみるとものすごく精巧に作られていた。チップのようなものがカードには埋め込まれており、まるでクレジットカードのような作りだった。そんなことはまぁどうでもいい。


「皆さまカードがお手元に来ましたでしょうか、これより一斉に始めます。カプセルを開けていただいて、その中で寝てもらいます。あ、もちろん勝手に何も知らない人が、開けることのできないようカードを通さない限り開かないようになっていますので、ご安心を。では、ゲームの世界でお会いしましょう。」


そう言われ、続々とカプセルの中に入っていく。普通ならもっとためらうと思うんだけどな。



そうしてカプセルの中に寝転ぶと、自動でカプセルが閉まっていく。


そして、だんだん意識が......













キュイーン


「コレヨリ、転送ヲハジメマス」


ナビゲータなのだろうか、かすかに聞こえる。






次に気づいた時にはもうすでに、異世界(ゲームの世界)の中だった。














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