第1話 一通の封筒

ある一通の封筒が休みの日に投函された。


『なんだよこれ??』


差出人は?と思い封筒を見るが書かれていない。


開けてみないことには何も情報はなさそうなので、開けてみることにした。







拝啓 飛馬 奏斗様


あなたは、当会社が開発中のゲームのテスターに選ばれましたので、ここにご報告と貴方様専用のIDカードを送付させていただきます。

一週間後、下記の場所でお待ちしております。


敬具 RASゲーム株式会社










RASゲーム株式会社?全く聞いたことの会社だな。


まず何のゲームなんだよ......


そんなことも考えてる暇があるなら、仕事の準備をしないと。まぁ一週間後休みだしその時になったら考えることにしよう。


そう切り替え、昼食を買いに家を出ようとした時だ...



ピーンポーン



「すみません、先ほどの封筒と一緒にこちらの荷物もありまして、受け取ってもらってもよろしいですか。」


「わかりました。こっちの部屋に運んでもらってもいいですか?」


「すみません、ありがとうございます。」


『うわっ、大きすぎるだろ。』


「はい、では確かにこちらの荷物をお届けしましたので、またお願いします。」


「ありがとうございます。」


部屋に置かれた箱を見てみると、軽く人が一人入れそうな大きさだった。


『あの人どうやってここまで持ってきてたのだろう......』


俺は、試しに箱を持ってみると、思いのほか軽かった。


『軽すぎるだろ...逆に何が入っているのだろうか。それよりも住んでいるのがワンルームマンションだったら終わってたな(笑)』


一応それなりに稼ぎがあるために、二部屋のマンションに住んでいるが全く一部屋を使っていない。本当に宝の持ち腐れってやつだな。なんて考えながら置いとくことにした。


昼食を食べに行き、家に帰宅し寝ようと思ったのだが......荷物が気になって寝れるはずもなく...例の部屋に足を運んでいた。


『やっぱりこれ大きすぎるだろ......何が入っているのだろう。』


恐る恐る俺は段ボールに手をかけ、ゆっくりと開けた。


そこに入っていたのは酸素カプセルのような大掛かりなものだった、説明書もしっかりと同封されており見ようと思ったのだが......


その説明書は英語で書かれていたのだった、もちろん奏斗は読むことができることもはずもなく。頭を抱えだしたときにふと段ボールを覗くと...


『来週日本語版の説明書をお渡ししますので。』


なんとしても会社側は来週来させるつもりなのだろう。


『休みを潰してまで、行かないといけないことかな。』


そもそも何のゲームかわからない、そんなものの説明を聞きに行く人などいるのだろうか?よほどのゲーマーしかいない気がした。


まずそもそもテスターなどに申し込んでもないのに、普通送られてくるかね...とにかく怪しさ満点だ。






けれど、ものすごく気になって仕方ない奏斗であった。


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