午前三時の小さな冒険――May



同題異話SR -May- 『午前三時の小さな冒険』

https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054896309939



 -April-『春風ひとつ、想いを揺らして』に参加して盛り上げてくださった皆さん、読んで企画を支えてくださった皆さんに、まずは感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

 新シーズン初回だったのですが、4月は思いっきり体調を崩し、書くのも読むのも、いつも以上に皆さん頼りになってしまいました。ごめんなさい。


 今回はあまり楽しい話にはならないと思います。

 率直に吐露するのもエッセイのうちだとして、ご容赦ください。


 奇妙な4月でした。

 僕たちは今、書くことの前に、非常に難しい2択を迫られています。すなわち、リアルの状況を作品に反映させるか否か、です。3月の時点で発生していた事象ではありますが、4月はその輪郭がよりはっきりしてきたように思います。

 無意識にクリアしている(気にしていない)人も当然いるでしょう、いろいろな思い・考えがあるでしょう、けれど、確かに存在している2択です。


 僕自身、(同題異話とは別のところで)学生の話を書きました。ライブハウスさえ絡ませました。正直、葛藤を抱くというか、勇気の要ることでした。

 物語の中くらい自由にやらせろ、野暮を言うな、ということでもありましょう。

 けれど、確かな気持ちとして、僕はそれを気にしてしまうのです。主催者のわがままかもしれません。


 必然、同題異話SRのタイトルにも手が加えられました。本来であれば採用するはずだったタイトルがいくつかお蔵入りになり、新顔がいくつか加わりました。『午前三時の小さな冒険』は、その新顔のひとつです。

 この際ですからはっきり書きますが、もともとの5月のタイトルは『ある憂鬱の不適切な解法』でした。我ながら良いタイトルだと思います(笑)。けれど“憂鬱”がどうしても引っかかりました。今それをやったらマジになりすぎるだろうと、そう思ってしまいました。


 どうしても2択が存在します。同題異話SRは、その2択を、なるべく“考慮”することを選びました。

 タイトルをどのように扱うかは皆さん次第ですが、しかし今回は言ってしまえば、いろいろな可能性を残しました。2択に応えられるようにしたかったからです。

 これは同題異話SRの今後の方針でもあると思います。

 完璧に配慮するなんてことは到底できませんが、考慮に入れることをします。


 やっとここから雑談します。お待たせしました。

 午前○時の小さな冒険、というアイデアを出した段階で、じゃあ何時にしようと悩みました。基準にしたのは、子供にとってどのくらい遠いか、ということです。

 別に主人公を子供にしろというわけではありません。ただ、どんな大人でも、子供だった時があります。深夜が遠かった頃があったんじゃないかと思います。

 子供の頃の深夜三時って、すごく遠いなと。二時じゃ足りないなと、そんなふうに考えて、“午前三時”を選びました。

 (余裕で起きてた、という方もいらっしゃるかもしれませんが)

 大人になるにつれて、深夜というものの感覚は変わってきますね。それが面白くて採用したタイトルでもあります。


 余談タイムですが、中学生くらいの頃、明け方までかけてマンガを描いていたりした日がありましたが、それだけで(起きているだけで)妙にどきどきしたのを覚えています。

 お気に入りの曲をCDで聞きながら、奇妙な昂揚を味わいました。

 そんな思い出も、今回のタイトルを僕に選ばせた要因のひとつです。


 さて、同題異話SRも通算14回目、なんだか日常になりつつあります(笑)。

 無事に15回目ができるよう努めていきます。皆さん、今後ともよろしくお願いいたします。




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