Lessson 08 ソシャゲと要望

《071》

◇ in compliance with the wishes : ご要望に応じて


~例文~

We plan to reduce the difficulty of quest in compliance with everyone's wishes.

(皆さまのご要望に応じてクエストの難易度を下げる予定です)


※ reduce the difficulty : 難易度を下げる


☆ワンポイント

 かつて、あんなにも頑張ってクリアしたクエストだというのに。そんなことが許されるのか。それが、許されるのである。そもそも、強力な新キャラが登場する度に、客観的に見てパーティーの総合的な戦力は上がっているのだ。つまり、相対的にクエストの難易度が下がっているも同然。気付いてしまったな。



《072》

◇ I have something I would like to ask you : あなたにお願いしたいことがある


~例文~

I have something I would like to ask you, so could you change guild master for a short while?

(あなたにお願いしたいことがあるのですが、少しの間だけギルマスを交代して頂けますか?)


☆ワンポイント

 快く引き受けるべきか、否か。少なからず、ギルマスとは大変な役職である。上位のギルドであればあるほど。時間と人望を持ち合わせているならば、やってみてもいいかもしれない。しかし、一つだけ大きな問題がある。極稀に、そのまま元のギルマスが蒸発してしまうこともあるのだ。それだけは覚悟しておくべきだろう。それが不安ならば、丁重にお断りしよう。



《073》

◇ look for ~ : ~を募集する(~を探す)


~例文~

Our company is looking for an experienced game programmer.

(我が社では経験豊富なゲームプログラマーを募集しています)


☆ワンポイント

 昨今のソシャゲ業界は人手不足である。メンテに次ぐメンテ、アプデに次ぐアプデ、修正しても修正しても無くならないエラーやバグ。それを少数精鋭で対処しているゲームも少なからず存在する。プログラマーやシステムエンジニアは、上に立つ偉い人や企画部門からの無茶なスケジュールに応えるべく、毎日身を削って働かなければならない。そして、日程通りに行かなかった場合には全ての皺寄せが来てしまう。とても辛いお仕事の一つかもしれない。だから、プレイヤーの皆も運営に要望を出す時は優しくしてあげよう。



《074》

◇ for God's sake : お願いだから


~例文~

For God's sake, give me her at the next gacha.

(お願いだから、次のガチャで彼女を出してよ)


☆ワンポイント

 無茶な相談である。しかし、神頼みしたくなる気持ちも分かる。お目当てのキャラを出すために、あと何回ガチャをすればいいのか。回数が三桁を超えた辺りから、何かが狂い出す気がする。これ以上は覚悟を決めるしかない。そうやって、ソシャゲは繁栄して来たのだから。



《075》

◇ would it be possible for ~ ? : ~して頂いてもよろしいでしょうか?


~例文~

Would it be possible for you to roll the gacha instead of me?

(私の代わりにガチャを回して頂いてもよろしいでしょうか?)


※ instead of me : 私の代わりに


☆ワンポイント

 遂に周りの無関係な人間まで巻き込み始めた。自分以外の人間の運頼みである。そして、この行為は効果があるのかと問われると、意外に効果はある気がする。飽くまで体感だ。迷信かもしれないが、今までの悪い流れを断ち切るという意味合いでは一定の効果が見込めるかもしれない。迷信かもしれないが。とりわけ、そのゲームを全く知らない人に回してもらうと、スゴイのを出してくれる気がする。ちなみに、結婚式の新郎新婦など、幸せの絶頂にいる人にお願いするとスゴイのが出るという噂もあったが、実際に試した結果はそんなことなかった。サンプル数1人×10連ガチャ3回。



《076》

◇ I hope you will ~ : ~して下さい


~例文~

I hope you will delete the debugging account immediately.

(一刻も早くデバック用アカウントを削除して下さい)


※ the debugging account : デバック用アカウント


☆ワンポイント

 デバック用アカウントとは、運営やプログラマーの人がエラーなどが無いかチェックをするために作ったアカウントである。勿論、ステータスマックスの最強アカウント。ところが、極めて有り得ない事態なのだが、アプリをリリースした際にそのアカウントが残ったままの状況が発生してしまったのだ。さらに、そのゲームが他のユーザーの助けを借りてクエストに挑戦できるシステムだった結果。プレイ開始から四十分でエンドコンテンツまで制覇できるらしい。ソシャゲに携わる全ての人は、この戒めを忘れてはならない。



《077》

◇ do you mind if ~ ? : ~して頂いても差し支えないですか?


~例文~

Do you mind if I make friends with you?

(フレンドになって頂いても差し支えないでしょうか?)


☆ワンポイント

 設定している助っ人キャラ次第である。最近は、そのプレイヤーのプロフィールに表示されているキャラと、助っ人キャラとを別々に設定できるゲームもある。要注意だ。そして、どれだけへりくだってお願いしようとも、フレンドになってくれない人はなってくれない。強いキャラをガチャでゲットしてから、再度お願いしてみよう。ただ、無言でフレンド承認依頼を出すよりも、一言コメントを送る方がフレンドになってくれる確率は高い気がする。



《078》

◇ can I ask a favor of you? : 少し頼まれてくれませんか?


~例文~

Can I ask a favor of you? OK. Please consume my stamina in this social game.

(少し頼み事をしてもよろしいですか? では、このゲームのスタミナ消化をお願いします)


※ consume the stamina : スタミナを消化する


☆ワンポイント

 実話である。これまでに語ってきたことも事実に基づいたものばかりであるが、これは流石に嘘だと思っただろう。そんなことはない。ソシャゲガチ勢を舐めてはいけない。彼らはスタミナが溢れることを極端に嫌うのだ。余すことなくスタミナを消化したいのだ。毎週のメンテの時間をしっかり確認し、メンテ終了までスタミナが溢れないよう計算しているのである。そう、彼らは遊びでそのゲームをやっているのではない。



《079》

◇ in response to your request : ご要望にお応えして


~例文~

In response to every users' request, we will distribute apologies.

(ユーザーの皆様のご要望にお応えして、お詫びを配布いたします)


※ distribute apologies : お詫びを配布する


☆ワンポイント

 それでいいのだろうか。ところが、大体はこれで解決するのだ。お詫びでユーザーは満足する。一方の運営は、ゲーム内の仮想アイテムを配布しているだけ。そこまで痛くはない。決して社外にお金を流す訳ではないのだから(極一部の例外を除いて)。つまり、ウィンウィンの関係。最近は、お詫びを配布することが一種の芸と化している風潮もある。とにかく、簡単にユーザーを喜ばせる手法であることは確かなのだ。全ては運営の掌の上で踊らされているだけだったのか……。



《080》

◇ I was wondering if it would be possible for ~ ? : ~して頂きたいのですが、いかがでしょうか?


~例文~

I was wondering if it would be possible for you to join our guild on this weekend?

(今週末にもうちのギルドに来て頂けないかと思っているのですが、いかがでしょうか?)


☆ワンポイント

 スカウトである。ギルドが存在する全てのゲームにおいて、実際に存在するのだ。Wikiや専用掲示板やSNSでも横行している。ギルマスの主な仕事の一つ。勿論、ギルドのメンバーがスカウトしても良い。逆に、どこかのギルドからスカウトされるためには、過去のイベントでの実績や現在戦力の提示が必須である。それらのスクショと共に、IDを添えて、SNSや募集掲示板に流すと、人によっては怒濤のスカウトが押し寄せることも。ちなみに、上位のギルドでは余所のギルドからの引き抜きも存在する。一体どんな契約をしているのかは、一切不明である。まるでストラテジーゲームみたいだ。

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