Lessson 05 ソシャゲと否定

《041》

◇ anything but ~ : ~以外なら何でも


~例文~

When you roll a gacha, you can't do anything but prey.

(ガチャを回す時、あなたは祈ることしかできない)


※ 祈ること以外なら何でもできない ⇒ 祈ることしかできない


☆ワンポイント

 人は、自分の力ではどうにもできない事態に直面した時に祈るのだ。その相手が、神か、運営か、もしくはゲームシステムかは分からない。とにかく、必死に祈るのである。次こそは……次こそは出てくれ……と。そういう場合、大抵出ない。相当な数を回さなければ、ほぼ出ない。どういう訳か、物欲センサーのような不思議な力が働いているのだ。ここですっぱり諦めると、後日すんなり出るかもしれない。時には諦めが肝心である。「次こそ出る」は絶対に出ない。ずるずると泥沼に嵌まらないよう気を付けよう。



《042》

◇ not in the least ~ : ちっとも~ない


~例文~

I am not in the least interested in the character implemented newly.

(私は新しく実装されたキャラにちっとも興味がありません)


☆ワンポイント

 嘘である。本当はとても興味があるのだが、あえて興味のない振りをしているのだ。ほら、今キャラがこっちに笑い掛けた気がする。それくらい欲しい気持ちが高まっている。気になって仕方ないのだ。しかし、全てはライバルを減らすため。自分が興味ないことをアピールすれば、他の人もガチャを回してまで取らないでいいかと考える。結果的に、そのキャラを入手する他プレイヤーの割合が減るほど、自分がゲットできる確率が相対的に上がるのだ。まぁ、それは都市伝説なのだが。



《043》

◇ fail to ~ : ~することができない(~するのを失敗する)


~例文~

I failed to complete all daily missions by twelve o'clock midnight.

(深夜12時までにデイリーミッションを全てこなすことができなかった)


※ daily missions : デイリーミッション (大体、複数のミッションが存在する)


☆ワンポイント

 あと一分……いや、あと三十秒あれば……最低限のデイリーミッション報酬を受け取ることができただろう。しかし、欲張ってしまった時点で後の祭りである。ローディング時間がもっと短ければ……。否、論点はそこではない。もっと早くログインすべきだったのだ。もっと余裕を持って。時間ギリギリになってしまった理由は知らない。しかし、その時間帯は同じ境遇のプレイヤーで回線が少し混雑するのだろう。ちなみに、デイリーミッションの〆切は深夜12時の派閥と朝方5時の派閥に大きく分かれている。しかし、ガチャ更新、曜日クエスト更新は深夜12時の場合が多いぞ。ただ、ゲームによっては日付の切り替えが深夜2時、3時、4時というマイナー派閥もあるから要注意だ。



《044》

◇ not necessarily : 必ずしも~という訳ではない


~例文~

Victory of the guild battle does not necessarily go to the strong.

(ギルドバトルの勝利は、必ずしも強者のものという訳ではない)


☆ワンポイント

 全ては油断である。自分達は強いギルドだ。そして、今回の対戦相手は弱小ギルドだから、そんなに攻撃して来ないだろうという、強者の驕りである。気付いた時にはギルバト残り時間三十秒。相手のうち数人の精鋭が、やたらと間際になって集中攻撃を仕掛けてきたのだ。挽回するにはもう遅い。結果、久々の敗北を喫することになった。ギルド内では反省会が行われる。打って変わって、相手の弱小ギルドはお祭り騒ぎである。ただし、次に対戦がマッチングした時には、もう完膚なきまでに蹂躙されるのだが。



《045》

◇ by no means ~ : 決して~ない


~例文~

Master was by no means happy in getting the top grade rare.

(最高レアを獲得したというのに、マスターは決して幸福ではなかった)


※ the top grade rare : 最高レア


☆ワンポイント

 被ったのだ。ガチャから最高レアが出るのは嬉しい。しかし、それは未所持の場合である。既にうちにいるのだ。確かに、被ったキャラを重ねて合成することで、限界を超えて強化することもできる。そういったシステムのゲームも数多く存在する。だが、そうではない。お目当てはそのキャラではない。もっと別の、未所持の、ピックアップ中の、新しいキャラが欲しかった。何故かって? 「えっ、持ってないの?」と友達に自慢されたからだ! ガチャの闇は恐ろしく深い……。



《046》

◇ the last person to ~ : ~するような人ではない(~するとしたら最後の人だ)


~例文~

He is the last person to be engrossed in social game.

(彼はソシャゲに嵌まるような人ではない)


☆ワンポイント

 そうとも限らない。今の時代、スマホでいつでもどこでもソシャゲが楽しめる。つまり、人目を忍んでソシャゲをすることも容易であるのだ。職場の堅物な上司が実はアイドル育成ゲームの廃課金者である可能性も、あのリア充な先輩が実は有名ゲームの常連トップランカーである可能性も否めない。要は、人を見た目で判断してはいけないということ。ただ、飽くまで可能性の話であり、そうでない場合が多い。会話の中で特定のソシャゲの話題を出して反応を伺えば、大体分かる。その事実を隠していなければ。



《047》

◇ never ~ without … : ~する時、必ず…する(…しなければ、~でない)


~例文~

I never see this character without thinking of my friend who has retired from the game.

(そのキャラを目にする時、ゲームを引退していった友達のことを必ず思い出す)


☆ワンポイント

 とても悲しい。それはリアルの友達であれ、ゲーム内のフレンドであれ。一緒にソシャゲで盛り上がった彼は、もうどこにも存在しないのだ。綺麗さっぱり、アカウントまで削除してしまった。残されたのは淡い思い出だけ。リアルで問題があったのか、ゲーム内で嫌なことがあったのか、引退した事情はどうであれ、いつか訪れる結末である。だから、今を精一杯楽しむのだ。明日、その友達がいなくなっても、思い残しがないように。



《048》

◇ free from ~ : ~がない


~例文~

Friends around me keeps rolling gacha, but are they free from worry about money?

(周りの友達はガチャばかり回しているが、お金の心配がないのだろうか?)


☆ワンポイント

 とても不思議である。みんな油田でも持っているのだろうか。会話をする度に、SNSを見る度に、ガチャを連発している。新しいキャラが登場すれば必ずゲットしているのだ。一体何処からそんなお金を捻出しているのか。いや、そのお金は親からの仕送りだったり、借りた奨学金だったり、今月の家賃や食費だったり、甥っ子にあげるはずのお年玉だったり、消費者金融から借りているお金だったりするのだ。文字通り身を削って、どうにか今日の課金分を捻出しているのである。決して彼らを侮ってはいけない。余談だが、光熱費を削る場合はガス→水道→電気の順で止めるのオススメだ。



《049》

◇ remain to be ~ : まだ~されない(まだ~されるべく残っている)


~例文~

The most difficult quest remains to be completed by anyone.

(その最難関クエストは、まだ誰にも攻略されていない)


☆ワンポイント

 明らかに仕様ミスである。誰がどう考えてもクリア不可能なのだ。掲示板でもWikiでも散々議論された結果が、絶対にクリア不可能。つまり、運営の設定ミス。エンドコンテンツの域を超越している。しかし、これを発見して喜ぶプレイヤーも少なからず存在するのだ。後日お詫びが配布されるから。それと、極稀にゲームシステム全体の仕様変更により、過去の何でもないクエストが突然クリア不可能になることもある。十分に注意したまえ。



《050》

◇ never fail to ~ : 必ず~する(~しないことはない)


~例文~

After the information was seen, she will never fail to be charge for the social game.

(彼女はその情報を見て、必ず課金するだろう)


☆ワンポイント

 あれだけ二度と課金はしないと宣言していたというのに。まだ三日しか経っていない。早くも決意が崩れ去ってしまった。本当に今回で終わり、と君は言うだろう。しかし、さらに一週間後には全てを忘れて、ガチャを回している様子が目に浮かぶ。骨の髄までソシャゲに飼いならされている。だが、それをゲームのせいにするのは御門違い。初心に返って、無課金だったあの頃を思い出して欲しい。お願いだから。

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