3話  バベルの塔

3。バベルの塔


「わー静かなとこですね」

「外出ても静かだと思うぞ」

「ええっと、火が暖かいですね!」

「暗いから足元照らさないとな。ここ、洞窟だしな」

ですよねーーーー。入るよう案内されたときはびっくりしたけれども!!まさか初の洞窟潜入が、こんな別世界で、知らない人たちと一緒なんてーー。

きつ過ぎるわよ。レイ。

シーラとリスのシンは男たちに「とりあえずここは危ないから、何も起こさなければ安全な場所に案内する」と言われ、洞窟内をすすんでいた。

「おい、ちゃんと前向いて歩けよ。危険だからな。」

「あ、はい。」

幸いなことに、この人たちは布で顔を覆っていて表情はみえないが、慣れない洞窟内で何かと気遣ってくれる。悪い人たちじゃなさそうだけど……。

「あ、あの、本当にこの洞窟の先に都があるんですか?」

安全な場所を目指しながら、シーラ達は覆面の男たちと会話していた。というよりも、一方的にやけに明るいカスペルという男がペラペラと話してくれただけなのだが……

「ああ。安心しろ。夜が明けたらお前たちを安全な場所に案内させる」

男たちが言うには、あの場所は地上は食べるものはなく、大河を超えていかないと木や動物はいないらしい。そして、、

「それよりも、お前たちはなんだってあんな場所にいたんだ?」

う、どうしよう。正直にメイドに異世界へ飛ばされました。て、言っても信じられないし…。

すると、肩に乗っていたシンが、「身売りに出されて、馬車の事故で外に放り投げられたと言えシーラ。それしか納得させるしかないだろ」囁いてきた。

「あ、え、と、身売りに出されて馬車の事故があって外に放り出されたの」と苦し紛れに言った。

私達を拾ってくれて、話を聞いた覆面の二人は、「そうか……」とじーと見ていた。

う、言い訳としてきつかった?シーラ、シンは冷や汗をかいた。

「それはそうと、お前シーラだったか?珍しい眼をしてるんだな。俺たちのところにもお前とおんなじ眼の色をしたお嬢様がいるんだけどな」

え?

「あんまりにも珍しいから、あの方だけと思ったぜ。そういえば、おまえ、よく見たら顔も似てるな。なあ、お前も思わないか、シュスイ」

ええ!?私とおんなじ瞳の色?え、それって、、、?

「話はあとだ。着いたぞ」

シュスイがそういうと、岩壁のあいだからこぼれ出る眩い光が見えてきた。

ブワっと光で、わ、まぶしいいいと思って思わず眼を閉じそうになったが、すぐさま眼が慣れると、カスペル達が言ったとおり、そこには洞窟内だというのに水が湧き上がっており、多くのかごがあり、その中には衣服と思われる布がはみ出ていた。洞窟の上から垂れ落ちてくる水の対策なのだろうか、布で仕切った天井も作られていた。そして布を巻き付けた衣装に身を包んだ多くの人たちが食べ物だろうか食材を囲って食事をしており、ガヤガヤと賑やかだった。

見れば見るほどシーラ達がいた世界とは異なっていた。

「わ、ほんとだわ。すごい。」

「だろ?けど、その前に、お前たちに会わせないといけないからな」

振り返ると、覆面の男たちは顔に巻き付けていた布を取っており、顔がようやく見えた。

カスペルという男は、黄金の太陽のような色の髪で浅黒い色をしており、イメージ通り元気そうな若者だったのに対して、寡黙の男ー、シーラ達を拾ったシュスイという男は黒色の髪に銀色の鋭い瞳の男だった。

カスペルは、驚いて凝視しているシーラ達をよそに、周囲をきょろきょろとして誰かを探しているようだった。

そして豪華な布で仕切られた屋根がついた場所にいた少女を見つけると、「おう、ヂュラン!見回りから戻ったぜ!」手を振りながらその少女の前へ近づいて行った。

「遅かったじゃない。どこほっつき歩いてたのよ」

シーラはヂュランという人を見ようとしたが、カスペルの背は高く、その先の人物がすっぽり隠れており、顔もみれず、身体の一部の腕、脚が話すたびにチラッと見えるだけだった。

「まあそう言うなよ、シュデリアが拾ってきた子がいるんだよ。何も防護する服持ってなかったから、洗って、なんか着替えさせてやってくれ」

「もう、そう言ってお世話させる」

そしてようやくシーラに気づいて顔を見ると、お互いに驚いた。

同じ緑色の瞳を持っていたのである。そして、なんといっても顔。顔が似ているのであった。明らかに血縁者と思うような姿であった。

どーなってんの?世界には一人だけの選定者だって聞いているのに。やっぱり別の世界に飛ばされちゃったの私!?

「緑の瞳……。あ、あなた、もしかして、選定者……」

わ、間違いない!この人も選定者なんだわ!!

「ちょっと、シュスイ!あなたこの状況説明して!!どうゆうこと!?」

急にヂュランという少女はカスペルとは違って後ろで控えていたシュスイの方へと声を張り上げた。

「俺もわからん。とりあえず、今からこいつらと話をする。お前もついてこい」

そう言って、奥の布で仕切られた場所へと入っていった。


私たちはシュスイの案内で、大きな布で仕切られた、洞窟内で作られた部屋の前に座るよう言われた。ヂュラン、カスペル、ゴビラが周りにいるという状態だった。

まあ、尋問されて当たり前か、、、。変わった服を着ている人間がきたらね詳しく調べるわよね。

「まず、はっきり聞こう。お前たちはどうやってここに来た?」前方の中央に鎮座する老婆のゴビラがきいた。

うう、どう説明したらいいんだろう。そう思っていると

「私たちはユーデン国という所からきました。しかし、私達も地上であのような何もない場所で生活するのは難しいので、この洞窟内でしばらくの間いさせていただけたらと思っております」リスのシンが言うと、

「「リスが喋った!!!」」

驚いて部屋の壁(?)に後づさりするカスペルとヂュラン。そして、冷たい水のごとく、眉を顰(ひそ)めるだけで何も言わないシュスイ、ゴビラ。

「そのユーデン国という国だが、、、選定者はお前か?」

「………はい」

さっきヂュランと会った時に選定者の言葉が出てたし、なにより今回は最初から緑の眼を隠していなかったのだ。選定者について知っている者ならばすぐバレるはずである。

「ならば、守護する者がいるはずであろう、誰だ?」

「ええっと、レイという人なんですけど…」

そう言うと、シュスイは頭を抱えていた。「あいつか……!!」

シュスイが口を開いて話をしてくれた。

「お前たちはここにきて警戒しているかもしれないが、レイと俺は知り合いだ。残念ながら。だから、ありのまま正直に話しをしてくれないか?いま、こっちも大変なことで手一杯なんだ」

レイは、無茶なことをする師だが、悪い人ではなかった。そのレイと知り合いなのだから帰れる糸口が見つかることは十分にある。また、あのレイと知り合いなんて、この人も苦労したんだなという同情の気持ちが生れ、シーラ、シンの二人は親近感を持って事情を説明したのだった。

「ふむ、お前たちの事情はわかった。神に会う前の試練としてここへ送られたというのだな」

老婆のゴビラがシーラ達の説明を聞き終わって話した。

「ここにいるヂュランもつい先日選定者として神と対峙したばかりであるし、よし、わかった。お前たちの力になりたいが、いまは難しいの」

やっぱりこの人も選定者なんだ!!

「難しいとはどういうことでしょうか?」

リスのシンがゴビラにきいた。

「いま、ここの地は一つの国家であったが、次の王と決まっていた姉のヂュランの弟君が反乱をおこしたのよ。それで本当の王を守るために、この洞窟で王座奪還の機会を伺っていたのだ。それが、近いうちに行う予定じゃ」

「その王座奪還後に私たちを元の世界へと返してくれたらいいんですけど?」シーラは伝えた。

「しかしな、、」

「おばば様が難しいというには訳がある。お前たちを返すには、一番高い場所へと行って、その隠している水晶を天にかざすしかない」

「じゃあ、一番高い場所はどこにあるの?」

「あるにはあるが、、、、、行くのが難しいんだ。」

「大丈夫よ、わたし、高い山でも行くわよ」

シーラがそう言っても、シュスイは言いにくそうに口を動かした。

「いや、山じゃないんだ。この世界で一番高いのは、バベルの塔なんだ。お前達は塔に行くしかないんだ」

「バベルの塔?」

「弟君のライディンが今建設中の塔のことだ。塔は永遠に建設され続けて、空まで届く塔を建設している。弟君は神に対峙するためだそうだ。選定者であるヂュランに対抗して、その塔を造ってこの国の王になるつもりなんだろうが、この国の後継者はヂュランと決まっているんだ。しかし、そんなことをしてどうなる?人間が神に近づきすぎる、大それたことすると破滅することを意味しているというのに。」

シュスイは続けて言った。

「だが、皮肉なことにその塔でしかお前を元の世界に戻す方法はない。そして王座奪還の際には少量ではあるが火薬も危ない時には使われるだろう。俺たちのもめごとが終わった後にお前たちを元の世界へと返そうにも、塔自体が残っているかは難しい」

「わかったわ。じゃあ、その塔に行くから、道を教えて欲しいの。」

「それはダメだな」

「どうして?」

「お前はあまりにも姉のヂュランと似すぎている。お前がもし、弟君に会ったところで、姉のヂュランとは関係ないと主張したところで、聞きいられず捕虜か殺されるのがオチだぞ」

「そんなのイヤー!!絶対に帰るのよ!!やりたいことたくさん残してるんだから!!」

「一つだけ方法がある。」

嫌な予感しかない………。

「つまり、、、」

シュスイの言葉は続いた。

「お前は我々と協力してこの戦いに勝って、バベルの塔に登らねば難しいということだ。」

やっぱり……。ううう。やっぱり泣きたいわ。


それからというもの、シーラは洞窟内で生活するようにと、この世界で選定者を見守っているというシュスイに言われた。

シーラは、レイから花嫁修業としてだったり、メイドとしての潜入捜査で身の回りのことが王族出身としては異常にできていた方なので、簡単だったのだが、、、、問題は夜である。そして、問題を抱えていたのはリスになったシンであった。

さすがに「可愛いリスですが中身は大人の男です」と言って、従者たちがシーラのために作られた一人分用の寝床に対して、新しく寝床を作ってもらうにもいかず、最初の夜は同じ布団の中で、間に仕切りの布を敷いて寝るという形になった。

普段のシンの姿であればシーラも、同じ寝ると言えば初夜と思わずにはいられないほど緊張していただろうが、今は手のひらサイズのリスが「お前には恥じらいという物がないのか」と言われても愛らしかった。

「リスなんだし、緊張するほうがおかしいわよ」

「ううう。」

シーラは全く緊張せずに、「おやすみー♡」と言って、さっさと寝息を立てていた。

結局、シーラは疲れもあって爆睡、シンは寝不足といういつもの状況となった。

そして、眼の下にクマをはやしたリスのシンを肩に乗せて、シーラは洞窟の中を探索することにした。

珍しい物を見るのはシーラにとって大好きなことだった。

しかし、洞窟内を歩いて早々に大きな男から声をかけられた。

「お前もこの戦に参加するってほんとかよ」

「ほんとよ。私は塔に用があるから」

「しかしなあ、ヂュラン様に似ているとはいえ、剣技まで強いわけじゃあるまい?戦に出るのはやめとけ」

「大丈夫よ。これでも強いのよ?何なら試してみる?」

「こいつは面白れぇ。おい、誰が勝つか賭けようぜ!」

「なんだ、決闘か?おい、まだ始めるなよ、決闘は久しぶりなんだ。みんなを集めてからだぜ!」

洞窟の中は場所も狭く、動ける場所は限られているため、若い衆はそのあり余ったエネルギーを持て余している。だからここでは決闘、かけ事が大人気だと、シーラはこの決闘後にシュスイに教えられるのだった。

けど、そんなことは知らないもんだから、

大ごとになっちゃった。どうしよう!

と後悔しても遅かった。

出るわ、出るわ、お年寄りから子供まで、果てにはヂュランも「頑張ってね」と応援する始末。

えーい、やるっきゃない!!!こんなんで怯んでたら女王が務まらないわ。もう女としての意地である。

対戦相手はガルシアという男だった。まだ若い男衆というらしいけど、ゴツゴツした手や顔も逞しくて、うーん武骨そうな人に見える。要は老けて見えた。

「ガルシア、準備運動は早く終わらせとけよ」

「おう、こんなの余裕だぜ」

む。この人たち私が弱いと思ってるわね。みてなさい、私がレイに何十年も鍛えられたんだから。

「それでは、両者剣、剣を構えて。始め!!!」

カーンと岩に固棒で鳴らすと決闘が始まった。

相手は余裕そうに構えてニヤニヤしている。早く終わらせてみんなに私のこと証明させてやる。

シーラはすぐさま相手まで駆けていき、剣を振りかざし、相手からの剣を受け止めた。しかし、そのまま受け流しながら移動し、相手の身体の脇に剣を素早く離して突いた。

が、一瞬で相手もシーラから距離を取り、体制を整えてまた剣を振りかざしてきた。観衆がオオオと騒いでる声が遠くから聞える。シーラはその剣を受け止め、一瞬剣が離れた時にシーラの身体がヒュンとさがり、相手の視界からいなくなるとすぐに横から剣を振りかざす。相手も剣を振りかざすが、シーラは飛んで相手の頭上めがけて剣を向けていた。

「そこまで!!!!」

ヂュランの声だった。声がしたと同時にシーラの剣はガルシアの頭スレスレで止まっていた。

「貴方が強いのは十分わかりました。この勝負、観衆全員一致でシーラの勝ちとします」

ヂュランは大きくこの少女の勝利を高らかに宣言した。

わあああああああああああ!!!!!

観衆からは大きい声が上がり、皆この若き乙女の勝利に沸き、総立ちとなっていた。

「シーラだったけ、お前、強いな。完璧に負けたよ」

「貴方もなかなか強かったわよ」

ニコっとお互いに笑いながら戦いを終えた。だが、ここの若い衆は血の気が多いのか、

「次はおれだ!!俺と対戦してくれ!」

「じゃあ、その次は俺だな。絶対勝ってやる」

次々と対戦相手が出てきてシーラは対戦する羽目になったが、なにしろシーラの剣の師匠はレイである。

ハチャメチャに強かったレイに鍛えられていたのであるから、ついには戦いに挑む者に全勝して、遂には戦いを挑む者はいなくなっていた。

けれど、かえってそれが良かった。

「お願いだ。俺たちに剣の稽古つけてくれ」と志願してくる若い衆が多く、剣の師として教えることになった。すっかり洞窟の人たちから信頼されて、カスペルからは「あいつらを手懐けるなんてすげーな」と言われたもんだから、私もちょっと自慢したくなって「まあ、これでも実力で認めさせてきたからね」と鼻高々に言った。

女王候補はだてじゃないのよ。

「うん、すげーよ。迷いネコのミーちゃん以来だぜアイツら手懐けたの」

「、、、、、ミーちゃん?」

「ああ。こーんな小さい子猫が迷い込んだんだけど、あいつら、若い衆が最初に見つけたもんだから世話してたんだ」

「、、、、子猫。」

カスペルにとって、私は子猫と同格、、?

「ま、外の異常な環境で、動物が巨大化して、洞窟内より外で飼ってんだけどな。」

ここの世界は、植物、動物は巨大化し、植物が生えてこないところはー私達が最初に拾われた場所は砂だけの嵐が吹き付ける場所が多くあるという。

手腕を褒められてなかったことにガックリしながらも、こうしてシーラ達は幾日か洞窟内で暮らした。



ある日、シーラ、リスのシンはしゅすい、ヂュランに呼び出されていた。いよいよ明日、王宮、バビロンの塔に突撃する日だった。

シーラ達は、この前とは違う一室に案内されていた。

「お前たちはユーデン国からきたと言っていたよな?水晶は無事、無くさず持っているか?」

懐かしい響き、、。ああ、はやく帰りたい母国、、。

「ああ、首にかけている布の中にある。たしかにユーデン国からきたが?」

レイから渡された水晶は、ここに初めて来た初日に布をもらって、リスであるシンの首にかけていた。

「そうか……。じつは、シーラが、お前とヂュランがあまりにも似すぎているし、レイも何か思惑があって寄こしたんだろうと思ってな。」

わ、調べてくれてたんだ。

「何かわかりましたか?」シンがきいてみた。

「王宮の書庫じゃないから、正確なことはわからないけれど、ユシュフェル国家の言語が変わって貴方たちのユーデン国になったんじゃないかと思うの」

それって、つまり、、、

「貴方と私、祖先と子孫にあたるわね!」

「まあそう思うのが妥当ですよね。レイも送る前に何か言ってたしな」

頷くシン。

「未来の我が国もここと同じように大変なことになっているらしいが、シーラは何か悩みを抱えたまま帰っても大丈夫か?」

う、バレてる、、、。すごい、この人。私が帰る国で悩み抱えてるって、なんでわかっちゃったんだろう?

「じつは、、カルディア剣山の大災害で、我が国が混乱してて、帰っても大変なんですけど、わたし一人でできるかなと思ってて、、。

わたし、まだ女王として即位してないけど、父である国王も倒れちゃったから、女王として皆を指揮しちゃいけなくて、、、。けど、それが不安で、、。」

シーラは、これまでの不安を吐露した。もうバレた以上暴露してスッキリしたかったのだ。すると、ヂュランが、

「シーラ、大丈夫よ。貴方だけじゃないわよ。リスのシンや、レイっていう人だっているじゃない。みんな、役目を持って生きているわ。貴方が国を引っ張て行くように、女王を支える人がいる」

「けど、弟のライディンは違うわ。ライディンはもう自分だけしか見えていない。ライディンの周りは支えてくれる人がいないのよ。それをわかってなくて、暴走してる、、、。だから、ライディンを止めなきゃいけない。姉として、選定者として」

シュスイは静かに聞いていた。

「だから、シーラ、貴方はもっと自信をもって?あなたがここへ来たのは何かしら理由があるのよ。それを私の隣で感じて欲しいの」

「ヂュラン、、、」

「それにわたし、神と対峙する前はこの世界消そうか悩んだことあるぐらいだしね!!!」

え、、、、。

「うそでしょ!何で!」

これにはシン、シュスイも驚いた顔をしていた。ヂュラン以外は聞き間違いかと思ったぐらい。

「ヂュ、ヂュラン、おまえほんとうに消すつもりだったのか?」

「なによう、シュスイ。だって国の天候は荒れて食べ物は生えにくいし、生き物はどんどん巨大化して狩りも難しいから生きるの大変じゃない。おまけに、内乱までおこるし。いいことなかったら消したい、リセットしたいと思うのは当たり前でしょ?」

ヂュランの言葉は続いた。

「結果どうりにはいかないけれど、信じて進めばきっと道は開けるわ。私はそうやって生きてきたんだから、子孫の貴方たちができないわけないじゃない」

進めば道はひらくー。シーラの心に言葉がふかくこだまする。

「ね?もう一度頑張ってみなさい」

ヂュランはそうほほ笑んだ。



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