第五話 この世界での目標
「起きろー、朝だぞー」
僕はペーロの声で目を覚ました。
起き上がると、昨晩の嵐が嘘のように、窓から差し込む日差しが眩しい。
アイが言うには15日間で闇がこの世界を覆い尽くす。
1日目が過ぎて、あと14日。
それまでに殺さなくてはならない……ほかの人をすべて。
僕はリビングに降りて、ペーロの向かいに腰掛けた。
テーブルには、朝飯の乾パンとミルクが用意されていた。
昨日の銃の振動を思い出すと、未だに手が震える。
僕のアビリティ……自動で敵に照準を合わせ、自動でトリガーを引く能力。
「お前のアビリティ、かなり強力だぞ。
そう言ったペーロは、珍しく神妙な顔をした。
「ただし、どんなに強いアビリティにも弱点はある。過信し過ぎないことだ。例えば、俺の場合は……腹が痛くなる」
それは違うだろうと思ったが、面倒臭いのであえて口にしなかった。
乾パンとミルクを口に運ぶ。
「どっちが好みだ?」
「乾パンは食えたもんじゃ無いが、ミルクの方は慣れるとそんなに悪くない」
「いや、そうじゃなくて……」
ペーロは僕に顔を近づけて、小声になった。
「ハイジとアイ、どっちが好みか聞いているんだ」
彼は親指を立てて、向かいのテーブルを指差した。
色んなことがありすぎて、誰が好きとかまで考える余裕なんてない。
僕は首を横に振った。
気楽なペーロが羨ましい。
「俺はハイジかなぁ。アイもグラマーで捨てがたいんだけどなー。ハイジの純粋なところが好きだ! 守ってやりたい系?」
確かにアイさんは胸は大きくて、女性の魅力が伝わってくる。
僕はアイに目を向けたが、どうしても胸に目が行ってしまう。
今日もタンクトップ姿だ。
ダメだ……こんなことを考えていたらいけない……僕は首を横に振った。
ペーロはその間も恋バナを話していたが、全然耳に入ってこなかったので適当に相槌を打ってごまかした。
向かいのテーブルでも、ハイジとアイが恋の話で盛り上がっているようだった。
ハイジがテーブルにタロットカードを広げて占いをしている。
女子は、どうして占いと恋バナが好きなのだろうか?
「年上の実業家で、ぐいぐいひっぱってくれる人です。二年以内に出会うでしょう」
「えーっ 本当? イケメンだといいな」
「私の占い、結構当たるんですよ」
聞き耳を立てていた訳では無いが、大きな声で喋っているので聞こえてきた。
テーブルの方を見ていると、振り返ったハイジと目が合ってしまった。
すぐ目を逸らしたが、ハイジが僕たちのいるテーブルにやってきた。
嫌な予感がした……。
「ビリーさんも占ってあげます」
僕の予感も、良く当たる。
「ビリーさんは、どんな人と出会うのでしょう?」
「占いとか信じないので……」
そう言って断った。
「信じる信じないじゃないんですよ。運命を受け入れるか、それが嫌なら、そうならないように自分で道を切り開くんです」
まるで、お坊さんの説法みたいなことを言う。
「それでは、どんな人と出会うのか占ってみましょう。この中からカードを五枚選んで下さい」
ハイジは食い下がらない。
「見回りに行ってきます!」
僕は、乾パンを片手に掛け出した。
リビングを見ると、ハイジが頬を膨らませているのが見えた。
昨日会ったばかりで、ハイジのことは恋愛対象として意識しては無かったつもりだけど、万が一占いでハイジが好きなんて出たら、その場を取り繕えそうにないのでエスケープした。
小一時間ほど、家の周辺を見回りしたが、敵が襲撃してくる様子は無かった。
少しするとイヤホンを通じて、アイから戻れと指示が出る。
僕が家に戻った頃には、全員リビングに集まっていた。
黒マントも腕を組みながら、壁に背を預けて聞いている。
「今後の作戦について話をする」
アイがテーブルの地図を指差した。
「これは、この付近の地図だ。現在地はポイントC3」
その地図は、横に20、縦に20の合計400ブロックに分かれている。1ブロック1.6キロメートルだという。
地図を見たが、地図記号などはなく、地形くらいしか分からない。
「闇がすぐ近くまできている。今日中にポイントG8まで移動する必要がある」
ペーロが、移動先のポイントを指差した。
「この辺りの家を、襲撃して奪うってことかい?」
「そうだ。移動経路は、この山を迂回するように進んで行く」
アイは、目的地を鉛筆でマークし、移動経路を地図に書き込んだ。
「日中、ポイント近くまで移動して、夜に襲撃をかける。夜は油断しているからな……」
「ま、それが打倒だな」
ペーロも頷いて納得したようだ。
黒マントは特に何も言ってこない。
ハイジも俯いたまま口を開かなかった。
「私が先行して、ドローンで索敵してくる。一時間後には出発するから、それまで準備をしておいてくれ」
襲撃……昨日は襲われてばかりだったが、今度はコチラから……。
やはり僕も、やらなきゃならないのだろう……。
まだ僕は、殺し合うことに対して受け入れられていなかった。
ハイジも、同じ気持ちかも知れない。占いをしていた時とは違った――辛そうな表情を浮かべている。
家の中には、様々なアイテムが用意されていた。
登山用のバックパックと、ウエストポーチを用意して、その中に持って行くものを詰め込んで行く。
まず、バックパックには、乾パン十個と、井戸水を入れた水筒二つ。
火をおこすためのマッチとオイル。
防寒具の毛布、雨合羽にロープ。
布を切るためのハサミと、動物の肉をカットするためのナイフ。
索敵用の双眼鏡、包帯、そして三角巾をしまった。
保健体育の授業で習ったのだが、三角巾は色んな用途に使える。
腕を骨折した時に首から吊すことができるし、頭部の怪我や、各部位を固定することができる。
次にウエストポーチには、武器を入れる。
予備のマガジンを入れるのだが、マガジンにはあらかじめ弾丸が詰められている訳では無い。
一つ一つ手作業で、弾丸を入れていかなくてはならない。
僕の拳銃のマガジンには七発しか装填できないので、予備は多めに用意しておきたい。
拳銃も一緒にポーチに入れていたら、アイから「すぐに撃てるようにしておいた方がよい」と注意された。
拳銃のホルダーを腰からベルトで垂らし、太股にもベルトで巻いて固定した。
これで、素速く取り出せる。
なんだか、西部劇のガンマンみたいで格好いい。
最後に日差し避けのために、つば付きの帽子被って準備完了だ。
僕は移動の準備を済ませ、二階のテラスから辺りの景色を眺めていた。
森の先には湿地や荒地が広がっている。ここは一体どういった世界なのだろうか?
普通に町があり、生活している人がいるのだろうか?
そして、誰が僕達を召喚し、殺し合いをさせているのだろうか?
そんなことを考えていると、家の中から甘い匂いが漂ってきた。
振り返り、リビングを覗いてみると、ハイジが手を振っている。
「パイを焼いたのです。いかがですか?」
リビングに降りると、テーブルには焼きたてのパイが乗っていた。
ペーロも、臭いに釣られてやってきた。
「うひょ、うまそ」
「作戦が終わる深夜まで何も食べられませんので、今のうちに食事をとったほうがいいと思って」
この世界では、食材は保管庫にあるので飢えることはないが、料理をしなければ三食乾パンとミルクになる。
一日ぶりの食事らしい食事だ。
「いただきます」
僕はパイに手を伸ばす。
甘くて酸味のあるフルーツがパイの中に入っている。
昨日から乾パンとミルクしか食べてないから、口の中が溶けそうだ。
「これくらいのことしかできませんが、わたしはわたしにできることをしたいと思います」
ハイジは、僕以上にこの世界に向いていない。
だから、誰かが守ってやらなければ、きっと死んでしまうだろう。
「私は機械いじりばかりで、料理はからっきしだから助かるよ」
アイも端末のキーボードを打ちながら、パイを口に運んでいる。
彼女はハイジに対して優しいというか……甘い。
まるで、妹を見守る姉のようだ。
「おいしー! この味ならお店だせるよ」
「そんな、お母様に比べたらこんなもの……」
そう言ったハイジの瞳から突然涙がこぼれ落ちた。
きっと、両親を思い出したのだろう。
アイはハイジの気持ちをくみ取ったのか、肩を抱き寄せた。
「きっと帰れるよ……一緒に帰ろうじゃないか、元の世界に」
「はい」
そう返事をしたハイジの顔に笑顔が戻った。
僕の両親も、僕が失踪して今頃心配していることだろう。
ハイジは小皿にパイを取り分けている。
どうするのだろうと見ていると、壁に凭れ掛かっている黒マントの所に持って行った。
「あの、いかがですか?」
「不要だ」
黒マントは、ぴくりとも動かず冷たく返事をした。
ペーロが、黒マントに聞こえないように、小声で声真似をする。
「不要だ……。ふん、かっこつけが」
ペーロは、ハイジに手を振った。
「そんな奴にあげんでいい、俺がその分食うから」
「だめです!」
大きな声をあげたのは、ハイジだった。
ペーロは、あっけにとられて、ぽかんと口を開けている。
「しっかり食べないと、肝心な時に力が出せません。食事と睡眠をとるのも、戦士の仕事です」
彼女は、真剣な眼差しで黒マントを見つめている。
それは、まるで母親が息子を叱るかのようにも見えた。
黒マントは黙って、一切れ手にとり口に運んだ。そして、二階のテラスへ上がって行った。
ペーロが僕の肩に手を回して、小声で話掛けてきた。
「ま、まさかあいつも、ハイジのこと好きなんじゃ……。とんだライバルの出現か」
強さとは、力の強さだけではない。心の強さ――自分の信念を貫き通すこと。それもまた強さなのだろう。
僕は誤解していたかも知れない。
ハイジは、きっと――誰よりも強い。
それから暫くすると、アイに声を掛けられた。
ロビーに向かうと、床に防弾ヘルムと防弾チョッキが並べられている。
「全員これをつけてくれ」
「うへ、ださいな」
ペーロは肩をすくめて、毒づいた。
「俺はパス」
「あるのと無いのでは雲泥の差だ。一発で死にたくなければ着けておけ。見た目と命、どちらをとるかは自分次第だ」
「ペーロは愚痴を言いながら、渋々身につけていた」
僕も手に取った。
ヘルメットはずっしりとして重い。
鉛でも入っているのだろうか? 弾を弾くものだ。それくらいしっかりしていないと意味が無い。
黒マントは装備しないと思ったが、何も言わず身につけている。
日本では常に命の危険にさらされることなんてなかった。
敵の襲撃に怯えるなんてことはなかった。
この世界では、誰もが自分の命を守るために、最善をつくさなければならない。
太陽が真上を通過する頃、僕達は拠点を後にした。
移動中ペーロが、ハイジにひっきりなしに話掛けている。
僕は誰とも会話すること無く、ひとり歩いていた。
「どうした? 何も喋らないじゃないか」
ペーロが突然、絡んできた。
「正直、初めての実戦で緊張している」
僕は拳銃をホルダーから取り出し手に取った。
昨晩のは
そして、僕のアビリティ……
あの時は無意識だったが、もう一度発動するのだろうか?
「心配すんなって、とちった時は俺がフォローするから」
余計心配だったが、笑顔で頷いておいた。
「俺さー、こっちの世界にきて……良かったと思ってる」
ペーロは、珍しく真剣な面持ちで話始めた。
「最初は、何が何でも帰るって思ってたけどよー。俺、元の世界じゃ何をやっても旨く行かなくて……。だから、こっちでやり直せるっていうか、向いている気がするんだ……強いアビリティもあるし。まだ最後まで生き残ったことは無いんだけどな。この世界でも、できる奴とそうでない奴に振り分けられる……無情だよな」
できる奴とそうでない奴……学校では、それが成績で分けられる。
ゲームの世界では、レートという戦績で振り分けられる。
こちらの世界でも、同じと言うことか。
「噂レベルでしか知らねーけど、この世界には強者がいて、そいつは何度も最後まで生き残っているらしい」
「何度もって……最後まで生き残ったら、元の世界に戻れるんじゃないの?」
「あぁ、最後まで生き残った者は元の世界に戻れるが、再びこの殺し合いに参加することができるんだ」
「せっかく戻れたのに、何のために?」
「さぁな……きっとそいつは、何度も遊び感覚で参加しているんだろうな……殺し合いを楽しむために……」
ゲームの世界にもプロゲーマーがいるように、どんな分野にも桁違いの実力を持つ者がいる。
殺し合いのこの世界にも、それは存在するということか。
まさに、プロの殺し屋だな……。
「俺もいつか……そいつらみたいに強くなってやる。目標あるのって大切じゃん?」
目標か……。
生き残って元の世界に戻ること――それが当面の目標で、そして元の世界に戻ったら……今までの生活、普段通りの生活が始まる。
これまで目標はなかった。
だから、戻ったら何か目標をみつけようと思う。
部活を始めたり、趣味を作ろう。
僕達は岩山の合間を進んでいた。
白とグレーの岩ばかりで、草などは雑草の一つ二つしか生えていない。
地面にはサッカーボールサイズの大きな岩がごろごろしていて、足元を見ながら歩かなければ躓いてしまう。
「大分歩いたと思うけど、まだ着かないのか?」
ペーロが、ため息交じりの声をあげる。
「目的地まであと半分ってとこだな」
アイが地図を見ながら返事をした。
「うへー、まじかよ」
こんな長距離を歩いたのは久しぶりだ。小学生の時の遠足を思い出す。
自転車、車、電車と、日本人は、文明の力に頼りすぎているのかも知れない。
ハイジは何も言わないが、歩くペースが落ちてきてしんどそうだ。
「少し休憩にしようぜ。もう足がパンパンだ」
ペーロはその場に座り込んだ。
「そうしたいところだが……この辺には木が無く遮る物が何も無い」
アイはペーロに向かって、立つように手で仕草をする。
確かにこの場所は開けていた。
バトロワのゲームで立ち回りには慣れているから良く分かるが、何も無いところを移動するのはリスクが伴う。
ここで敵に見つかってしまうと一方的に撃たれてしまう。
安全を考えると、今は先を急いだ方がいいだろう。
「あぁ、それもそうだな」
ペーロも納得したようで、歩き出した。
やがて前方に廃墟群が見えてきた。
「こんな岩山だらけの所に家を建てるなんて、前に住んでいた奴は何を考えているんだ?」
「油断するなよ? 物音は聞こえないが、敵が潜んでいる可能性を考えて慎重に進むんだ」
ここは日本とは違って広い土地がある。
でもここに住んでみたいとは思わない。
日本の生活に慣れてしまったら、不便で仕方ないからだ。
集落の中に入ると嫌な臭いが立ち込めてくる。これまで何度も嗅いできた臭い――血の臭い、死の臭いだ。
「くっ、吐きそうになるな」
ペーロは鼻を塞ぎ、ハイジは目を覆っていた。
道の真ん中には、何人もの死体が横たわっている。
僕はそれを避けて通りすぎた。
家の壁には血が飛び散り、地面には死の雨が降り注いだかのように、真っ赤な水溜まりができていた。
家の扉は壊れ一部が床に落ちていた。壊れた扉は、斜めに綺麗に切り裂かれている。
黒マントは死体の前で屈み込んで、遺体の様子を探っていた。
「これは銃器じゃないな……鋭利な刃物のようだ」
「ついさっきまで戦いがあったようだな。まだその辺にいるかも知れねぇ。注意しねーと」
ペーロはナイフを取り出し、辺りを警戒する。
「しっ誰かいる」
物音を感じとったのか、アイが口に人差し指を当てて、皆を制する。
耳を懲らすとうめき声が聞こえてきた。
暗闇で気が付かなかったが、隅で塀に凭れている男がいた。
頭から血を流し、震えている。
もう助からないだろう。
黒マントはそいつに拳銃を向けた。
「まて、襲ってくる気配はなさそうだ。尋問しよう」
アイも拳銃を取り出し、男の元へ歩いて行った。
「おい、お前らをやった奴は近くにいるのか」
「ああああ……」
男の声は、もはや言葉になっていない。
「どんなやつだ?」
「化け物……」
化け物?
「爪の……赤い爪の化け物が ああああーーーーっ!」
男はそれまで弱々しくうめいたいたのに、何を思いだしたのか突然叫び声をあげた。
パスン――。
その男の額から血が飛び散った。
それっきり、さけび声をあげることはなくなった。
ハイジは口に手を当てる。
アイの横で黒マントが銃を発砲したのだ。
「サイレンサー付きの銃か?」
アイが黒マントの銃を見て言った。
「大声で悟られる……どうせこれ以上尋問しても無駄だろう」
黒マントは、銃を懐にしまう。
「こいつのほかに死体の数は4……こいつの仲間はいないだろう」
「一方敵にやられたようだな」
ペーロを見ると震えていた。
「どうしたペーロ?」
僕は声を掛けた。
「赤い爪の化け物……クリムゾンネイルだ」
ペーロは何かを知っている。
「ヤツが、俺達と同じ世界にいるなんて……」
アイとハイジは、その言葉に反応したかのようにペーロに顔を向けた。
この場に緊張した空気が流れた。
「クリムゾンネイル?」
どうやら僕だけが、この言葉の意味を知らないらしい。
そんな僕の問い掛けに、ペーロは答えてくれた。
「この世界に長いこといるなら、その名を知らない人はいない。やつは死神として恐れられているからだ」
ハイジの顔がみるみる青ざめてくる。
「クリムゾンネイルは本名じゃ無い。奴の残虐さ、血塗られた爪を見て、誰かが付けた名前だ」
ハイジは、クリムゾンネイルの話を聞きたく無かったのか、これ以上凄惨な部屋の中にはいられなかったのだろうか、表に出て行った。
僕も、ペーロの話に耳を傾けながら家の外に向かう。
「有名になるくらいだから、当然相当な腕の持ち主だ。だが、死神と呼ばれるには理由がある」
ペーロは僕たちの前で振り返った。
「それは……奴に殺されたら再生しないからだ」
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クリムゾンネイルの恐怖! ビリー達は生き残れるのか!?
⇒ 次話につづく!
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