強くなりたくて

@mizuki-swan

第1話

イジメっていつまで続くんだろう...。


そんな事を毎日考えて、悩んでは笑ってを繰り返した。


今思えば、懐かしくて、少し喉の辺りがキュッとするカンジだけど、あの頃のアタシは必死だったと思う。


始まりはささいな事だ。


保育園年長の、半分くらいが過ぎた頃。


女の子のグループが2つあった。


アタシは基本、一人で遊ぶのが好きだったし、グループとか関係なくて、みんな仲良く楽しく過ごせればと思っていた。


2つのグループを行き来しているAちゃんが、聞いてきた。

「MちゃんとTちゃん、どっちの方が好き?」


別にどっちも対して差があるわけでもなく。

ただ、Tちゃんの方が和やかで、喧嘩もする事なく、ゆったり過ごせると思い、

「Tちゃん、、、かなぁ?」

と言った。


そしたらAちゃんは

「やっぱり?私もそう思ってたんだよ!Mちゃんってなんか怖いし!」


そう言ってニコニコしながらMちゃんの所に走って行った。


そして、その話をMちゃんにしているのだ。


その姿を目の当たりにし、呆然としているとMちゃんが寄ってくる。


「私の事が嫌いなんだって?ふーん。Tちゃん、私のグループに入れるから、一人になるね!ずっと一人でいればいいよ!」


と言い捨て、Aちゃんと教室に消えて行った。


その時は、訳が分からなくて、只、心臓がドキドキいっていた事だけしか覚えていない。


これがのちに約9年間続くイジメの始まりだった。

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