理想の彼女と変人たち

第2話 「トキメキ」

女子A「ねぇ、あの娘でしょ？噂の転入生って。」

女子B「ホント美人よねー。あの娘を見た後に自分の顔を見ると、世の中に理不尽さを感じてくるわ。」

皆の視線の先にいるのは宮原愛花である。

愛花「はぁ…。」

クラスの女子A「どうしたの？宮原さん。」

愛花「あはは、ちょっとね…。」

彼女は自分が放つオーラで人を魅了し、周りから近づいてくれるため、どこかの主人公とは違い、自然に仲のいい友人がつくれるのだ。

～聖太のクラス～

聖太「クションッ！…風邪か？」

～愛花のクラス～

クラスの女子「なにか悩みでもあったら聞くけど？」

愛花「まぁ、そんな大したことじゃないんだけど…。廊下を歩いているとね、みんな私に視線を向けてくるから、なんか変に緊張しちゃって。」

クラスの女子B「だって、宮原さんは今話題の美人転校生だもん。」

愛花「び、美人だなんて…。そんなことないよ。」

クラスの女子B「いやいや、なにを仰りますか。もう学園のマドンナになりつつあるじゃないですか。」

愛花「えっ、そうなの！？」

クラスの女子A「アタシもそうだと思うよー。実際この学園で1位2位を争うくらいだもん。」

愛花「だからもー、そんなことないんだってばー。」

宮原愛花は会話でも疲れを感じてしまうのであった。

一方、崎町聖太はというと…。

聖太「はぁ…。」

美桜「この変態！どこまでお仕置きしたら気がすむのかしらね！」

晴人「アゥッ♥もっとだーッ！」

美桜「この、この！」

晴人(コイツと知り合えて良かったなぁ。毎日やってくれるんだもん！)

聖太(小埜さん、あなたがやめない限り彼は悪化し続けますよ。)

小埜美桜と与野木晴人のSM劇場が毎日行われることに疲れを感じるのであった。

美桜「フンッ！」(バシンッ)

晴人「アゥーーーンッ♥」

～お昼休みの廊下～

聖太(あー、もうムリ。このままだと流石に体力が持たん。だが、あの二人が止めることは一生ない感じだしなー…。)(バンッ)

女子「きゃっ」

聖太「あ、ごめん！」

女子「い、いえ…。」

聖太(…あれ、この人…。)

崎町聖太がぶつかった相手は…。

愛花「前をよく見てなかった私が悪いので。」

そう、宮原愛花だった。

聖太「いやいや、俺も前をよく見てなかったし、君だけが悪いわけじゃないよ。まぁ、お互い様ってことで。じゃね。」

愛花「は、はい。」

この時、崎町聖太の脳内は…。

聖太(ムリムリムリ！あんな可愛い子が目の前にいるだけで心臓が持たねーよ！というか、いきなり現れるとか反則だろ！あれでトキメかない男はいねーよ！アァーッ！)

彼はいわゆるチキンなのだ！今まで女性とまともに会話することが少なかったため、女性とのコミュニケーションが長く続かないのである！

聖太(早く立ち去らないと、死んじまう…！)

一方、宮原愛花はというと…。

愛花(これって、いわゆるラブコメ展開じゃない！？キャァー！どうしよ！こんなの実際に起きるなんて思ってもみなかったよ！)

ラブコメの見すぎで、この状況に嬉しがっていたのであった。

～放課後～

ある男は後悔をしていた…。

聖太「もうちょっと話していれば仲良くなれたんじゃないか？！なんで俺は！アァーッ！」

これは男にとっての「あるある」だろう。

～数日後～

ある日、事件は起こった…！

教師「これはどういうことか、説明してもらおうか。」

聖太「っ…。」

教師「黙ってないでさっさといったらどうかね？君の内申に関わるんだぞ？いいのか、崎町君？」

聖太(なんで…、なんで、俺の鞄の中にトレジャー(エ○本)が10冊も入ってるんだよ！？)

To be continued…！