雪山編
第11話 さむさにたえて
「だいぶ風が強くなってきましたね…」
「あぁ、俺こういう寒いとこ苦手だ…」
「わたしは何とか大丈夫ですけど……そうですね、寒くないようにコウテイさんみたいにくっつきましょう…」
「え!?あ、あぁ…そうだな…」
なんで私たちがこんな状況になっているかというと……
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「そろそろ新しい曲を出したいわね…」
「新しい…曲ですか?」
「えぇ…PPPの活動も大分波に乗ってきたじゃない?だから新しい曲を歌おうと思って、ねぇコウテイ?」
「あぁ、新しい曲で気持ちも新しく行こうとプリンセスと話し合ってな」
「そう、だからその新しい曲を探しに行ってほしいのよ」
「まだ見つけてねえのかよ!」
「うむ、向こうの山の上にある建物に音の出る箱と音を出す部品とやらがあるみたいなんだ」
「それでイワビーとジェーンにそれを頼みたいのよ」
「なんで俺たちなんだよ」
「いいじゃないか、仲のいい2人ならいい曲を見つけてくれると信じてるよ」
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ということがあって山の上にある建物を目指して来たのですが山の真ん中ぐらいから吹雪になっていて今少し休憩中なんです。
わたしは割と平気ですけどイワビーさん雪山は苦手だから寄り添っててあげないと…。
でも吹雪のせいにしてイワビーさんに寄り添えるから私としては嬉しいですけどね。
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コウテイとプリンセスに言われて山の上にある建物にあるらしい音の出る箱とその部品を取りに向かってるんだけど、途中で吹雪になっちまった。
「こんなになるなんて聞いてないぞ…!」
「山の天気はよく変わるって聞きますから…」
「変わるたって猛吹雪じゃねぇか、さっきまですっげー晴れてたのに」
「そうですね……うわっ」
「ジェーン!大丈夫か?」
「はい…なんとか…」
「危なかったら俺に掴まってろよ」
「ありがとうございます…」
と見栄を張ったが俺はこういう寒すぎるのはあまり得意ではない。
「くっ……前が見えねえな……」
「さっきより風が強くなりましたね…」
「俺こういう寒すぎるのって苦手だからさ…ちょっときつくなってきた……」
「大丈夫ですか…?私は何とか大丈夫ですけど…」
ちょっときつくなってきたってのは嘘だ。こうすればジェーンと近くなれるかなって思ったから。
「そうですね…寒くないようにコウテイさんみたいにくっつきましょうか…」
「え!?あ、あぁ…そうだな…」
ジェーンとくっつく。ジェーンの肌の温もりが伝わる。温かい。
吹雪のせいにしてこうしてジェーンに寄り添えるなら吹雪も悪くない。ジェーンに寄り添う口実ができて嬉しい。
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