第10話 かんらんしゃ
お昼を食べたあと俺たちはもう2回くらいジェットコースターに乗った。
俺は乗り気じゃなかったけどジェーンがどうしてもって言うから…。やっぱりあれには慣れねえなぁ。平気な顔で、ニコニコして乗ってるジェーンがすごい。
そろそろいい時間になってきた。
「ジェーン、そろそろいい時間になってきたしそろそろ帰ろうぜ」
「そうですね…。最後にあれ、観覧車乗りましょう?」
「おういいぜ」
なんかボロっちいけど大丈夫か??まぁ動いてるから大丈夫なんだろな。
いざ乗り込むと思ったより狭い。ジェーンと近い。ドキドキする。
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観覧車、に乗ってみたかったので乗ったんですが、意外に中が狭くてイワビーさんと近いです…。すごくドキドキしちゃいます…。
「あ、あの……」
「ど、どうした、ジェーン」
「ち、近いですね…///」
「そうだな……でも、こんなもんじゃねぇのか…?///」
「そう…なんです…かね?」
こんなに近いなんて……。他のフレンズさんたちもこんなにドキドキして乗ってる…のかな?
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近いせいでジェーンに話を振れない。でもなんとか絞り出す。
「なぁジェーン…今日、楽しかったか?」
「はい!!すごく楽しかったです!!イワビーさんがジェットコースター苦手だっていうのも分かりましたし!」
「お、おい!その話は…」
「うふふ、プリンセスさんに教えてあげようっと」
「やめろよぉ…!」
「あ、でもえむしーでお話するからファンのみんなにバレちゃいますね(笑)」
「あ…!なぁジェーン頼むからその話だけはやめてくれよ…な?」
「でもそれ抜いたらお話することなくなっちゃいますから…ね?」
「むぅ…分かったよ…ジェーンがどうしても話したいなら話せばいいじゃねぇか…」
「イワビーさんも素直じゃないですねぇ(笑)」
「う、うるせぇ!」
「…あ、そろそろ頂上ですよ」
「お、ほんとだな」
「うわぁ…綺麗……パークが一望できますね…」
「そうだな…お、あれ、この前のライブ会場じゃねぇか?」
「どこですか?」
「ほら、あそこ!」
ジェーンの肩が俺の肩に触れる。
「見えないですよ…?んー……あ、あった!あそこですね?……イワビーさん?」
「ジェーン…お前…近いよ……///」
「あっ…///ごめんなさい…///」
ジェーンが急いで離れる。
「いや…いいよ…///悪い気はしなかったから…///」
「そう…ですか?///ごめんなさい…気づかなくて…///」
「だから謝ることはないって…///」
「はい…///」
その後はなんか気まずくて観覧車から降りるまで何も話せずじまいだった。
観覧車ってのはこんなに近くて、ドキドキする乗り物なんだろうか。他のフレンズもこんなドキドキして乗ってるんだろうか…。
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