第9話 おひるのひととき

メリーゴーランドを降りた後、私たちはジェットコースターやコーヒーカップを楽しみました。

ジェットコースターでイワビーさんが物凄く叫んでたのが楽しかったです。

コーヒーカップというのは私たちペンギンには向いてないのかもしれません。ちょっとフラフラしてます…。


そんなこんなでお昼にちょうどいい時間になりました。


「イワビーさん、お昼どうしましょうか?」

「そうだなぁ……お、あそこいいんじゃないか?」


イワビーさんが指さす先にあるのは『パンのロバヤ』と書いてあるお店。

「見たことないお店ですけど……いいですね。」


「なぁ、この店何があるんだ?」

「あ、いらっしゃいませ!ジャパリパンにジャパリチップスにジャパリソーダ!なんでもござれ、ですよ!」

「へぇ…色んなものがあるんですね!…でもこんなお店初めて見ました…。」

「えぇ最近始めたんですよ。あ、申し遅れました。わたしロバっていいます。あなた達もしかして…?」

「お、俺達のこと知ってんのかぁ?」

「えぇ!もちろん!!アイドルのPPP!!のイワビーちゃんと…ジェーンちゃん!ですよね?」

「はい、私たちのこと知ってるなんて嬉しいですね」

「お噂はかねがね聞いてますよ!最初のお客さんがPPPだなんて嬉しいです…!」

「そんな大層なもんじゃねえよ…で、ジェーン何にする?」

「そうですね…じゃあ…ジャパリパンとジャパリソーダを…」

「じゃ、俺も同じの」

「ジャパリパンとジャパリソーダを一つずつ…はい!どうぞ!!」

「ありがとな!」

「ありがとうございます!」

「またのご来店を~!」



「美味しそうだな!」

「そうですね、早く食べちゃいましょう!」

「ジェーンってフルルみたいに食い意地はるタイプじゃねぇだろ…?」

「あ…いえ…そうですね…///」

「あ…まさか、実は食い意地はるタイプだったりするんだな…?」

「そ、そんなことは……ない…です…///」

「お?図星だなぁ?ジェーンも可愛いやつだなぁ」

「もう!イワビーさんったら!食べましょ!!」

「はいはい」

イワビーさんに恥ずかしいところ見られちゃった……。けどあまり恥ずかしいって感じはしない。ありのままの私を見てほしい…からなのかな?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ジェーンにそんな一面があるとは思ってなかった。でも食い意地はるジェーンも可愛いからそれはそれで良しだ。


「美味っ!このジャパリパンってやついけるな!」

「そうですね、美味しいです!!…このジャパリソーダっていうのもなんかシュワシュワしてて美味しいですよ!」

「どれどれ……ん!ほんとだ!シュワシュワしてて美味いな!」


食べ物一つでこれだけジェーンとはしゃげるなんて、すごく楽しい。


「ジェーン、次は何に乗りたいんだ?」

「そうですね…観覧車っていうのも乗ってみたいですし……もう1回ジェットコースターにも乗ってみたいです…!」

「ジェ、ジェットコースターは…もう勘弁だぜ……」

「えー楽しいじゃないですかぁ~」


ジェーンも楽しんでるようで何よりだ。

PPPとしての俺はロックにやってるが今は違う。なんか元々の自分の中にあった生き方というかやり方というか…。素の俺自身がさらけ出てる感じがする。

ありのままの俺をジェーンに見てもらいたいから…なのかもしんねぇなぁ…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る