第4話 おたがいに
言ってしまった。『好き』が何かわからないのに…。でもイワビーさんも私のこと好きで良かった…。『好き』が何かはこれから見つけていけばいいし、他のメンバーに聞くのもいい。
「ちょっと何よあなたたち、相思相愛じゃない」
え!?プリンセスさんに今の聞かれてた…??
「プ、プリンセスさん…?今の聞いてました…か?」
「聞いてたも何もあんな大きな声で話されちゃ嫌でも聞こえるわよ」
「じゃ、じゃあ…コウテイもフルルも聞いてたのか…??」
「もちろん。ねぇコウテイ!聞こえてたわよね?」
「あぁ…バッチリ聞こえていたよ。相思相愛、いいじゃないか。応援するよ」
「よく分かんないけどフルルも応援するね〜」
全部聞かれてた…というか聞こえてたんだ…。なんか恥ずかしい……///
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マジかよ…。プリンセスぐらいにならいいかと思ったけどコウテイ、フルルまでに聞かれちゃったか…。
ジェーンも俺の事が好きだなんてなんだか恥ずかしいけど嬉しいな。『好き』って気持ちが何なのかはこれからジェーンと過ごしていく上で見つけりゃいいか。
でも他のメンバーの『好き』って何なんだろう。聞いてみるのも手か。
「そろそろレッスン再開するわよ!」
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「はい!今日はここまでにしましょうか」
レッスンが終わった。今日もハードだった…
「なぁプリンセス、ちょっといいか?」
「なに?分からないとこでもあったかしら?」
「いや、そういう訳じゃないんだけど…」
「じゃあなによ」
「あのさ、プリンセスが思う『好き』ってなんだ?」
「急に変なこと聞いてくるわね。……そうねぇ…私が思う『好き』は…ずっと一緒にいたい、とか離れたくないっていう気持ちかしらね…」
「そうか…」
「なに?もうジェーンと倦怠期なの?私はあなたたちを全力で応援するわ、頑張りなさい!」
「そ!そんなんじゃねえよ!!……でも…ありがとな…」
そっか…。一緒にいたい、離れたくないが『好き』かぁ…。確かにジェーンとはずっと一緒にいたいし離れたくない。
これが『好き』って気持ちなのか…。
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レッスンが終わった。今日もハードで疲れました…。でも聞かなきゃいけないことがある。
「あの…コウテイさん、ちょっといいですか?」
「ん?どうしたジェーン、踊りのことならプリンセスに聞いた方が…」
「いえ、踊りのことじゃなくて、個人的にお聞きしたくて…」
「私で相談に乗れるならいいよ、なんだい?」
「あの…コウテイさんは『好き』って気持ちって何だと思いますか?」
「『好き』って気持ち…?そうだな……」
「あっ、無理に答えなくても…」
「離れたくない…かな」
「えっ?」
「『好き』って気持ち、離れたくないとか一緒にいたいっていうことじゃないかな……離したら終わりというかもう会えないって気がする」
「離れたくない…一緒にいたい……」
「ジェーンの求めている答えとは違うかもしれないけど私の思う『好き』はそれかな」
「あ、いえ、ありがとうございます」
離れたくない…か。確かにイワビーさんと一緒にいると楽しいし、心が暖かくなる。
イワビーさんと会えなくなるのは悲しい。それを考えれば、私はイワビーさんと一緒にいたいし、離れたくない。
そっか…これが『好き』って気持ちなんだ…。
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