氷華の詩

このまま止めてあげようか


あの日の散った花びら


何処かの国の鼻歌


青春だけを背負った東京駅


全部止めてあげる


冷凍庫に入れて


アイスピックで粉々にできるくらいに



氷層から見える花束こそ君には意味がある



氷華のものたちよ


君はいつか春に侵される

春の凡庸さが憎い



氷華ものたちよ

眠れ


もうこの世に春などない



春を待つな



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る