探偵はハードボイルドに生きるのか?
探偵は玉子をどう料理するのか?
アタシが
「王子様! 朝だよっ!」
ほっぺにちゅっ、とかラブコメみたいな起こし方をしてあげれば喜ぶのかもしれないけど、このお姫様みたいな王子様はグラムロックのいでたちのままで熟睡してる。
「うーーーん。もう朝かしら?」
「とっくにお日様はお仕事中だよ!」
「ならわたしも働かなきゃね。ふわあーあ」
コーヒーでも淹れようと思ってティファールのケトルをポン、とオンにしたら、グキュー、っていう聞き様によってはキュートな音が響いた。
「王子様、朝ごはんは?」
「いつも抜いてるわ」
「え。ダメじゃない。脳に栄養あげないと」
「うーーん。適度な空腹がいいのよー」
「それは幻想。日本人なら白米・メザシ・味噌汁!」
「ゴメン、
まあ、
「アタシが作ってあげる」
「いつもすまないわね〜」
サラダ油がなくてオリーブ・オイルか。
ベーコンをひらっ、とフライパンに敷いてその上で玉子を割って、鍋蓋かぶせて。
「王子様、玉子の固さは?」
「半熟〜」
「え!?」
「な、なに? 緋糸クン?」
「ハードボイルドじゃないの?」
「ああ。探偵だから? ちっちっちっ。ボイルは『ゆで玉子』でしょ? ベーコン・エッグなら半熟で黄味をベショベショソースと混ぜて食べたい派なのよ、わたしは」
どんな一派なんだ。
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