探偵はハッピーエンドに持ち込む
アタシと
「お姉ちゃん、横浜、楽しかったね」
「わーわーわー! ♬ 横浜、ちゃらりら、ブルースよ〜」
「あら、
「横浜ちゃらりらブルース」
母親が呆れてるのをよそに、夕食の片付けが終わった後、桜花をベッドに寝かしつけながら横浜での出来事を総括したんだ。
「桜花。ギタリストはドラマーとベイビーくんと3人で幸せになれると思う?」
「うーん。うん! なれると思う!」
「でもね桜花。大人はねえ、色々と難しいのよ」
「子供だって難しいもん」
「あら。意味深な発言。大丈夫? 幼稚園でいじめられたりしてない?」
「うん、大丈夫。でもね、ピトくんとレンちゃんがね、好き同士なのに結ばれないんだ、ってなげいてたもん。だから子供だって難しいんだよ」
「へえ。幼稚園児も大変なんだね」
翌日も休みなんで助かった。
ううん、アタシは家事手伝いだから融通は効くけど桜花が幼稚園お休みで助かった、ってこと。
王子探偵社・洋館
「ああ、お嬢さん方。昨日はありがとね。緋糸クン、ちゃんと家での仕事は終わった?」
こくん、とアタシは頷く。
家事をきちんと労働として評価してくれるから王子様のこと好き。
「ではでは緋糸クンに桜花クン。結果を発表します。ジャジャン!」
王子様は高らかにスマホを掲げた。
表示されてるのは音楽レーベルのブログだけど、なに?
『ギタリストとドラマー、電撃入籍! アーンド、3年越しのメジャーデビューへ!』
「ええと・・・失踪していたギタリストがドラマーと奇跡の再会。ふたりの間にできていたかわいらしい男の子も父親と感動のハグ対面をし、最高のデビュー・ストーリーとなりました。『王子探偵社のおかげです』とふたり揃ってコメントしています」
「わー、王子探偵社が有名になるね!」
「そうよー、桜花クン。いやいや正直経費ギリギリで採算薄かったけど、このタダの宣伝で元を取ったわ」
「でも王子様、昨日の夜だけでここまでアレンジしたの?」
「そうよー。だって、探偵だもの」
探偵って、魔法使い?
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