第15話 一本道

 タイジュの家を出て、北に向かって突き進むと一本道があった。

「ここから北が嘆きの洞窟と墓地のある丘に通じる道なんだ」

 ガイがリルに丁寧に説明してくれたが、リルは正直言って、興味はない。

「そうなんだ」

 だから、つい冷たい受け答えになってしまう。

「それで、あの焼け跡が俺の家だ」

 ガイが指さしたところには、確かに燃えカスのような木々が転がっていた。背後は深い森らしい。手前の方は一緒に焼けているが、奥の方はうっそうと茂った森だった。その構図がティザーニアの城と似ているせいか親近感も感じられた。

「跡形もなくなっていますね」

 もっと優しいことを言えばいいのかもしれないが、それよりもさっさと帰りたいという気持ちの方が勝る。

「まあ……自然災害だから仕方ないけどなあ」

 ガイは、そう言いながらも思い出の家が燃えて、やりきれないところがあるらしい。ちょっと元気がないような感じがした。


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