第6話 運命の出会い
「……ガイ・オーウェン様ですか……?」
物思いに耽っていると、茶色のフードを深くかぶった人物が近寄ってきた。かわいらしいが凛としたよく通る声だ。ガイは大柄だから、女だとちょっと見下ろすくらいの身長差になる。
「ああ。そうだが……」
ガイが答えると、その人物はフードをとった。
「初めまして。リル・アーノルドと申します」
その美しさに思わず息を飲む。銀色のさらさらとした腰までも長い髪、切れ長の燃えるような赤い大きな瞳が特徴的な整った顔立ち、色白で華奢な体つきなのに、ふくよかな胸……挙げればきりがないほどどこまでも魅力的な女だった。年齢はガイと同じくらいといったところだろうか。
「ガイ・オーウェンだ。よろしくな」
ガイは、どきどきしながら、笑いかけた。しかし、
「……こちらこそ」
リルはつれない態度でガイをあしらう。きれいだが、愛想のない女のようだ。にらみつけられたが、その瞳ですら美しくてはっとしてしまう。
「とりあえず、厩に馬を取りに行くか」
おいでと手招きすると、子ども扱いするなと言いたそうな鋭い視線を向けられた。でも、難攻不落に見えるものほど落とした時の喜びは格別だ。そういう意味ではなんだかわくわくした。
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