月長石を身につけて
第Ⅲ章 1話
「情報が漏れていました。」
「どういうことだ、ボルネシア。」
静まり返った会議室で、私は説明を続けた。
「先日行った任務についてですが、
我々″SVY部隊″と″仮面部隊″の内4名は、司令塔の爆破を目的とし、侵入を図りました。
しかし、司令室には誰もおらず、痕跡も残っていませんでした。そして、我々が来ることを知っていたかのように、ダクトから襲ってきたのです」
あの時は特に疑ってはいなかったが、
今さら考えれば矛盾ばかりであった。
なぜ、アンドロイドたちは戦場の様子を把握する必要がある重要な役割を放置していたのだろう。
幸いにも、別の戦線を離脱してきた″金蓮花部隊″が敵を見つけることが出来たため、敵を倒すことができ、目的は果たされた。もし、見つけていなければ、私達の命はなかったのかもしれない。
「そして、ダクトから襲ってくるタイミングが良かった。何処かから見ていなければ我々を襲うタイミングは掴めないでしょう。もし監視カメラでが着いていたとしても、それを確認するのは司令室しかありえません。さらに、司令室の電源は全て落ちていました。これでは通信も途絶えているはずです。」
「つまり、行動が読まれていた。ということか」
「えぇ、むしろ知っていたといっても過言ではありません。」
「なんだと?」
「行動を読むだけで、司令室を無人にするわけありません。何か決定的なことがあって、敵はこのような行動を取ったのでしょう。
なんにせよ、私達の会話を誰かが聞いていたおそれがあります。
これが計画されたときから奴らは知っていたのでしょう。」
「つまり、
... この施設に、スパイがいるのか」
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