神にでも祈ってろ外伝
第2章 6,5話
僕は、段ボール箱を被り直し、前の彼女の後を追っていた。
目と口元だけ開けている簡易な段ボール箱は、僕を色んな意味で守ってくれる肌身離さず被る必需品だ。
前を走る僕の幼馴染みは、僕の前を迷いなく進んでいる。サポート兵であるが、正しくはどの戦場でも戦課を出せる強兵。僕よりもはるかに技術が高い。
薄地の青いマフラーを身に付けているはずの彼女だが、赤い液体のせいで赤黒く染まっている
ポイント通りに進んでいくものの、範囲外にも敵を見つけたら、すかさず撃ち落としていく。
給料分以上の仕事をする彼女であるとよく誉められているところを見るが、そういうわけではないと思う。
セザンヌは、まぎれもなく戦争狂だ。
液体を身体中に浴びるのは、ピストル、ライフル何でも持っていたとしても、基本接近でナイフで対応するからだ。敵の顔をよく見れるのが楽しい、とよく言っているが、アンドロイドに表情なんてない気がする。
でも、幼い頃から見てきた僕だからこそ、
痛いくらいに分かることがある。
彼女が戦争を好きになるのは、仕方ないことなのかもしれない。
「ノル!あっちもポイントに着いたって、次いくよ!」
「... うん、分かった。」
これが終わったら、帝国の中でも有名な喫茶店のパンケーキを奢ってあげるとしよう。
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