第2章 10話 完
その後、自軍の司令塔に戻り、皆の生存を確認した。勿論、ユージラにはこっぴどくしかられたがその後、味方の軍の活躍により、敵を殲滅することが出来た。
″金蓮花部隊″の三人は、もといた戦線に帰っていった。カエデは、普通ならこっぴどく叱られるだろうが、情報を持っているから大丈夫でしょ、と余裕の表情をみせていた。
そういうことじゃないと思うんだけど...,
私達″SVY部隊″と、″仮面部隊″は、しばしの休暇を得ることが出来た。申し分ない給料を貰い、みな上機嫌だった。
「ほぅ、爆発とはなかなか面白い戦術にでたものだな。」
「はい、そのお陰で、司令塔を一掃することができましたよ。」
休暇に入ってすぐ、私は総統室で、ユージラがスペア国王赴任式の帰りに買ってきてくれた珈琲を飲んでいた。総統の急な誘いでビックリしたが、前に誘われていたのですぐに菓子の準備もできた。
「そういえば、″金蓮花部隊″も来たと聞いたが」
「... 部隊のリーダーであるカエデが、亜米利谷の情報がほしいということで、戦線を抜け出してきたそうです。」
「っははは!... 自由な部隊だ、尚更面白い!」
怒るどころか愉快に笑っている総統は、
何処か可笑しい。
... と、優雅に定刻のお偉い様と話をしているが、私には一つ聞きたいことがあった。
時間を見計らい、珈琲を全て飲み終え立ち上がる
「... あの、最後に一つお伺いしても」
総統の珈琲を持つ手が止まり、見上げる。
「...総統と、父は、どのような関係でいらしたのでしょうか?」
「ただの帝国内のお友達さ?どうかしたのか?」
「... いえ、なにも。」
「お前の父は、実に有能で、面白かった。
... しかし、彼には敵が多すぎた 」
「...そうです、ね」
「... また来てくれ。今度は此方が用意しておく。」
「はい、ありがとうございました。失礼します」
私は、心に何かを残したまま、
静かに重い扉を閉じた。
父は、無神論者であった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます