第2章 5話
私達が様々な場所で行うことは所詮、戦争の後片付けに過ぎない。まぁ、強化兵だからというのもあるし、少年少女だからとも言える。
しかし、だからこそ、ここでしっかりと戦果を取り、今後に望むことが必要とされるのだ。
期間も迫り、いよいよ明日出発となった私達の部隊は、最終確認と、寮の寝室に集合した。
「... と、こういう作戦だったね。間違いない?」
「合ってるよー、ボル。」
「いよいよ明日ね。大丈夫... なのかな」
ユージラは神妙な面持ちでこちらを見つめている
「何を心配するのさ、ユージラが医務室で看護をしていたらすーぐに終わるよ。なぁ?セザンヌ」
「そーだよ!」
「うん... 」
「... どうした?ユージラ。体調わるい?」
「私、怖いの。
皆が死んじゃうんじゃないかって。」
敗北主義者か、と言いたいところをぐっと堪えた
今回の内容なら、無理もないかもしれない。
敵は、あくまでも200体いると予想されている。
現在戦っている兵士で迎え撃っていたとしても、何体かは残るであろう。そのアンドロイド達が、自分の命を犠牲にしてまでも、私たちに特攻してくるのだ。森の中で、突然に現れてでもしたら、ひとたまりもない。
そしてなによりいつ来られても可笑しくない場所で休息、睡眠を取るのだから、精神がイカれるであろう。
「でも、私達は行くんだ。」
ユージラの肩を持ち、目を合わせる
「私達は、軍人だ。
守らなければならない祖国のために、下された使命をこなすのだ。」
「えぇ、その通りね」
「そして、ユージラが味方を一人でも介護すれば、そいつも戦えるようになり、私達の負担も減る。どういうことか分かるか?」
「っ... えぇ、」
「私達は、一人でも欠けてはならない。
皆の力を出しきらなければ、どこかで支障が起きてしまう。
だから、私達と共にたたかおう、ユージラ」
「... 死んだら、許さないから」
「ユー!私を誰だと思ってるの?」
セザンヌも、ユージラの肩に手を置き、
皆で笑った。
その夜明けに私達は、戦場へと旅立った
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