第2章 4話

「け・つ・ろ・ん・として!

私達は異国組と帝国組に分かれ、時刻を合わせて進み、司令部に突入、殲滅する。

その間、連合国組は回復、司令部での指揮を行う。期間にして4日。早急な対応を急ぐ。

総員、意義はあるか!」


「ないよ!ボル!」

「ありません。」

「ないよ~」

「意義なしだヨ」

「ウソだろ...... 」


一人大丈夫そうでない人もいるが、まぁいい。

部隊が結成されるまで私とペアを組む軍人はただの後ろを走る人間でしかなかった。

しかし、俊敏さを誇るロイは、今までの攻勢でも充分に動けていた。

今回初めてのツーマンセルであるが、大丈夫であろう。



「ではこの時刻を持って対敵殲滅計画についての議論を終了する。部隊共に助け合い、祖国に勝利を!」

「「「「「勝利を」」」」」




「はぁ... どうしたらいいんだ」

日が落ちた頃。隣で溜め息をつく青年は頭を抱え悩んでいた。

春の夜は寒い。外のベンチだと尚更寒い。

白い息がロイの口からふわふわと流れ出てくる。

奢ってもらった缶珈琲を飲みほすと、満足?と呟かれたので、とりあえず頷いておいた。

「... 何に悩んでいるんだ、ロイ。」

取り敢えず聞いてみるが、返事はない。


しばし、沈黙が続くと思えば、ふ、と口を開けた

「... 俺、ちゃんとツーマンセル出来るかな。」

私は驚いた。技術も上出来、戦術を使いこなせる彼が、ツーマンセルを拒むのか。

死ぬ確率が高いからか?戦術が彼に会わないからか?いや...

「大丈夫。ロイは、私と対等に戦えるから」

「え?でも今日の朝... 」

「あんなに狭く物陰もない部屋なんて、ロイには不便だよ。もし森のなかとかで戦ったら、

私は絶対負けるね。」

「... 」

「それに、私は貴方を信頼している。」

「!」

「信頼できる人に背中を任せるんだから、それなりの仕事はしなよ?」

「っ... 当たり前だ、やってやるよ」


... そんなに真剣な瞳で見つめられたら、

思わず笑みがこぼれてしまうでないか。


懐かしい。汗水垂らして戦ったあの頃が。


握手し、二人は硬く決意する。





この国に、我々に、勝利を――、誓って。

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