第9話 『かわいがり』
大銀河の強烈な上手投げを受け、土俵下で失神していた時限ゼミの意識がサスペンド状態から復帰した。彼が土俵を見上げると、そこには二つの相撲竜巻が発生していた。
横綱若銀河は大銀河と睨み合う。
横綱万寺は肉達磨の強烈な打撃を避け続けている。
それらから距離をとり漁夫の利を狙うのは八極弾だ。
肉達磨の強烈な蹴たぐり!万寺は片足を上げて受けるが鉄の棒で殴られたような痺れが残る。さらに蹴たぐり!蹴たぐり!蹴たぐりッ!
ついに万寺の体勢が崩れて強烈に横回転、いや違う!万寺はメキシコ人力士特有の陽気なリズム感で蹴りの威力を乗せて跳び、
「「どすこい!!」」
肉達磨は胸鎖乳突筋をパンプアップさせてダメージを吸収!万寺は空中でさらに二回転してから八極弾の顔面に着地!「ぐわーっ!?」
間髪入れず八極弾を足場に再跳躍!! 高角度の
一方、地上の若銀河は大銀河の放つ横綱気に阻まれていた。昭和の怪物!!稽古場で会うより何倍も大きく見える!!
(デカい!)(四股が足りんなボーヤ)(……くっ)
微動だにしない新旧銀河横綱に観客が座布団を投げ始めた。しかし、両横綱に接近した座布団が破裂!次々と粉みじんに粉砕されていく!!
「
審判席の
国技館中の日本中のいや世界中の視線が土俵に集中し、土俵下へ意識を向けるものはいなかった。
その時、空中へ放り投げられた時限ゼミがKフィールドに接触して白熱発光して大爆発を起こすまでは。
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