第7話 『昭和の巨人』
国技館最終ランブル(残り7名)
07 大関
09 横綱
10 横綱
12 元関脇
13 元大関
14 元横綱
15 乱入者
序盤は現役の実力者同士の争いが頻発した。現役を退いた力士を後回しにして実力者から排除するという計算が働いたためだ。いよいよ土俵上は残り7名。最終的な決着を意識する時間がやってきた。土俵上の人間関係が混迷を深めていく。
一方、理事長室。
「まずいですな」
土俵から急行した炸裂親方が裸のままで起爆解除を試みている。
巡業で利用される爆発物を一手に引き受ける炸裂親方は角界で最も優れた爆発系力士だが彼の手をもってしても起爆を解除できないようにハッキングされていた。
「理事長、私以外で爆弾に手を触れたものは?」
「む、さっきスタッフの若い者が……あれ?どこへ行った?」
人知れず理事長室を後にする深く職員キャップをかぶった男。その首元には「国家安康」のロケットがかけられている。理事長室から控室を抜けて土俵へ向かう通路を足早にすり足で進んでいる。しかし、その前に巨影が立ち塞がった。
「ドコヘ行コウッテイウンダイ?」
現代の神話。ハーキュリーズ・ヘラクレスである。
帽子の男はニヤリと笑うと両手をついた。仕切りの構えだ。
「今タノシイトコロナンダ、邪魔サセルワケニハイカネエ!」
両雄が激突する!!
――――――――――
「スゥーッ!!ドスコーイ!!」
大きく息を吸った大銀河の肉体は土俵をはみ出して国技館の天井を突き破った。巨大にパンプアップされた肉体は現役さながらの質感とボリュームを保っていた。
昭和の英雄、大銀河の帰還である!!
【残り7名】
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