痺れるほどに

 磁力と重力の事は考えましたが電気はまだでしたね。ではこの辺で電気の事を書こうと思ったのですが、正直あんまり分かりません。まあ、分からないなら分からないなりに、いろいろ考えてみます。で、まずはこれまでと同じように、一般的に分かっていること、説明されていることについて一つ一つ見ていきます。

 磁力と重力も十分に難しかったのですが、電気もこの上なく難しいので、まずは用語をちゃんと押さえておきましょう。

 まずは「電気」です。ちょっとおかしいと思いませんでしたか?「磁力」「重力」なのに「電力」ではありません。じゃあ「電力」とは何か。電力というのは1秒間に電流がする仕事の量です。あ、電流はまた後で説明します。電流が1秒間にする仕事の量が電力で、電力が実際にやった仕事の事は電力量と言います。

 例えば「時速20㎞で3時間走ったら60㎞走っていた」という時の「時速20㎞」が電力で「3時間走ったら60㎞走っていた」の部分が電力量みたいなイメージですかね。

 じゃあ「磁力」って何だったかと言うと磁石と磁石が互いに及ぼし合う力等の事。

 そして「重力」というのはざっくり言うと物体が物体を引き付ける力の事です。

 つまり「電力」は量だけど「磁力」「重力」は力の事です。ですから「電力」と「磁力」「重力」は同じ土俵の上では語れないことは分かっていただけたでしょうか。もう、この辺りから難しさが滲み出してきていますね。

 じゃあ「電気」は何か。これはもう…なんでしょう?

 まず「バチバチとかビリビリってくるヤツ」というのが浮かびますね。で、なんか明るくしたり何かを動かしたりしてます。明るくする…例えば白熱灯なんかは電気を熱に変換してそれを光に変換しています。蛍光灯は放電で明るくしています。LEDは電気を直接光に変換しています。意外にも電気そのものは明るいものではないみたいですね。

 と言う事で電気というのは、それだけでは何にもならないけれど、何かに働きかけることで役立つ物になるという事は言えそうです。

 では、一般的に電気とはどう説明されているか。

 ここに原子があります。この中心に原子核があって、その周りを電子がまわっている、このような絵をご覧になったこともあるでしょう。この原子の周りを回っている電子は刺激を受けると原子から離れてあちこちと動き回ってしまいます。この動き回る電子のことを自由電子といってこの自由電子が動くことを電気だと呼んでいる、と説明されています。そして、この「自由電子の流れ」の事、或いは「自由電子が流れる導線などの断面積を、ある一定時間に流れる自由電子の量」の事を電流と呼んでいます。

 と、これだけでは電気の事はあまり分かりませんのでここからは磁力と絡めてお話しします。

 電気と磁力といえばマクスウェル方程式です。マクスウェル方程式は四つの方程式で表されていますが、実際の方程式見てしまうと何がなんやら状態になってしまいますので、それぞれの方程式がどういうことを表しているのか考えていきます。


 ①磁場に関するガウスの法則

  どこかから湧き出す事はないし、どこかに吸い込まれる事もない。

 ②ファラデーの電磁誘導の法則

  磁場が時間的に変化すると電場が生まれる。

 ③ガウスの法則

  でんがあると電場が発生する。

 ④アンペール-マクスウェルの法則

  電流が流れたり電場が変ると磁場が生まれる。


とまあ、こんな感じです。それぞれ実験を何度も繰り返して得られた結論です。あ、新しい言葉が出てきましたね。「電荷」です。電荷というのはフランクリンによって考えられました。フランクリンは凧上げ実験で雷も電気だと言った人です。曖昧な説明になりますが、電気のいろんな現象、例えばビリビリするとか、火花が飛び散るとかですね。そういう電気現象は電荷が移動したり、お互いに影響しあってることで起こっているんじゃないかというのも考え付きました。ついでに言うと「静電気」と、所謂一般的な電気である「動電気」は同じものだと考えたのもフランクリンでした。

 でいろんな説明を読むと電荷には正の電荷と負の電荷があって、正の電荷は陽子、負の電荷は電子がそれぞれ担当しているとなっていますね。

 念の為に確認しておきますが原子は原子核と電子からできていて、その原子核もほとんどは陽子と中性子からできています。その原子の中の電子と陽子が負の電荷と正の電荷になっている、という事です。

 それと電場についても一言。電場というのは「電荷が電気的な力を受ける空間」と説明されています。「電荷が電気的な力を及ぼす空間」ではなく「電荷が電気的な力を受ける空間」です。ここ大事ですから少しの間覚えておいてください。

 と、一応ここまで確認しておいてさっきのマクスウェル方程式を見ていきましょう。

 ①の磁場に関するガウスの法則「どこかから湧き出す事はないし、どこかに吸い込まれる事もない」というのはちょっと難しいっぽいですが、ざっくばらんに言うとN極もS極も単体では存在しないという事ですね。

 ②ファラデーの電磁誘導の法則「磁場が時間的に変化すると電場が生まれる」というのは実験で確かめられています。

 ③のガウスの法則「電荷があると電場が発生する」というのは何でしょうか。色々な実験を重ねていくことで、離れた電荷同士でも何やら力が働いているっぽいなって考えるようになってきました。訳のわからない力が伝わると言えば「場」でしたね。そこで電荷の力が伝わっている空間を電場とみなしたわけです。

 ④のアンペール-マクスウェルの法則「電流が流れたり電場が変ると磁場が生まれる」も実験で確かめられたことです。

 ということで、何も問題ないように思われますがもう少し考えてみたいと思います。

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