第5話

小さい頃のお父さんとの思い出は、あまりない。

いつもお酒を呑んでいて、他人に関心の無い人という印象。

幼稚園のときに行った、家族3人でのアドベンチャーワールド。

それから、海。

その2回程度しか思い出がない。

父は休みの日に家族で出かけることを嫌った。いわば出不精だ。

「行きたいんやったらお母さんと二人でいっといでーな」と、お決まりのセリフ。

家族3人で行きたいのに…おもんない…

私は幼いながら、父は私に関心がないのかな、と思い始めていた。


それから、私が風邪を引いたとき。

母はつきっきりで面倒をみてくれたのだが、父は仕事から帰っても私の居る部屋を覗きもしなかった。

私に心配の言葉も、母にねぎらいの言葉も、なかった。

段々と父と距離を感じていった。

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檻入り娘 おっふぃ @keromonya

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