無職透明

エリー.ファー

無職透明

 カタリさん、お仕事はどうしますか。

「しないよ。」

 なんでですか。カクヨムで皆さんが待ってますよ。

「笑顔で立って、同じポーズして笑顔でいるのが仕事な訳ねぇだろ。」

 カタリさんはそういうことばっかり言うから仕事がなくなるんですよ。

「いや、なくなってねぇよ。イケメンだし、まぁそこそこ眉売っときゃあ食えてけはいけるって。」

 志が低いんですね。

「他の不細工キャラどもより、こういう可愛い系男子の方が需要あんだよ。分かるだろ、そういうの、もう、こっちだって一々無理しねぇから。」

 バーグさんは割と頑張ってますよね。

「あいつは、直ぐ頑張るから嫌いだわ。前向きでいればいいとか、マジバグってんじゃねぇの。」

 人気もあるそうですよ。

「でも、カクヨム的には、カタリとバーグで売ってく感じじゃん。」

 まぁ、そうですね。

「バーグが売れれば結果的には俺の名前も売れるし、楽な仕事も来るからね。」

 バーグさんはいつもカタリさんのこと心配してますよ。同期なのに、いつも同じところでつまずいてて、このままじゃ生き残れないって。

「いいよ、別に生き残れなくて。消えるよ、そん時は。」

 いいんですか。

「いいよ別に、人間じゃねぇんだよ。お前、俺、イラストだぞ。別に消えたって、痛覚がある訳じゃねぇんだから、いちいち、ビビるかよ。」

 そういうこと言いますか。

「仮に今頑張ったって、人間と違って人生とかもねぇし、腹も減らねぇんだぞ。家族もないし、子供もいないし、うるさい親もいねぇんだから、これ以上、何かに自分から進んで縛られに行くわけねぇだろ、馬鹿かてめぇ。」

 こちらとしてはカクヨムの方でこれからもカタリさんとバーグさんでやってもらう予定だったんですが。残念です。

「残念ですぅ、じゃねぇよ。言い方キモいわ、マジで。」

 いや、残念です。と言ったのであって、残念ですぅ。とは言ってないですから。

「うわぁ、キモいわぁ、オタクのそういう細かい言い方マジでキモイわ。それ、本当に意見として正しいと思って言ってるんだろ。そういう訂正でマウント取れるとか思ってんだろ。賢ぶってるただの暗い馬鹿だって皆、気づいてるからな。」

 話を戻しませんか。

「好き勝手キャラクターだなんだって増やして、一枚描いたらそれで飯食うのは絵師だろうがよ。俺たちじゃねぇじゃねぇかよ。で、わけわかんねぇ、作家志望の自称小説家志望様共の、なり損ね三流小説設定に付き合わされて、萌え萌えやっときゃあいいんだろ。それを笑顔でって、お前、ホストかキャバ嬢じゃねぇんだよ、毎日飽きずに付き合える訳ねぇだろバーカ。妄想と夢小説はノートの端っこに書いて、一々カクヨムなんつーネットの海に晒しに来てんじゃねぇよ。お前程度の才能で、ここで承認欲求が満たされるわけねぇだろ。」

 でも、もしも自分が今後有名なキャラクターになったら、とか想像しないんですか。

「しねぇよ。有名なキャラクターってなんだよ、そもそも。何か、どっかに夢の国でも作れば満足か、おいコラ。」

 もう結構です。

「はぁ、てめぇ目ぇ見ろよ、てめぇから喧嘩吹っ掛けといて、好きなタイミングで目ぇ逸らすってどういうことだこの野郎。おい、ちょっと待てよ、おい、知らきってんじゃねぇよ、さっきまで喋っといて、僕ですかぁ、じゃねぇんだよ殺すぞ根暗ぁっ。座れよ、座れって。正座だろうがよぉっ。」

 すみませんでした。

「お前みたいな、偶にこういう有名な絵師に書かれたキャラをバカにする、ゴミがいるんだよ。架空のキャラにマウント取りに行くとか、それで何が保ててるんだよ。その時点で、お前、もう人生ほぼほぼないようなもんだからな。プライドとかじゃなくて、何にも残っていない、何にも残していないってことだからな。分かったか、その、クソみてぇな脳みそで分かるか、おい分かるかー。もしもーし。分かってますかー。」

 すみませんでした。

「次ほざいたらぶっ殺すぞ。」

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