第5話 出港

「それでその後は?」

「未来は知らない方が・・・」

紅葉はいう、

確かに、普通ならその方がいい。


そう、≪普通なら≫


「で、あのバカップルは俺達に何て名前をつける?」

「今と同じ」

「紅葉と勇気?何でだよ」

紅葉は、唇に指先をあてる。


「あのバカップルだけど、私たちの事は気にかけてくれてるみたいで・・・」

「うん」

「私たちが転生した時、生まれ変わりと信じて付けるらしいんだ」

アバウトな・・・


「で、それから、もしかして、別々の所に里子に出されるのか?」

「ううん、同じ所だよ、転生先での私たちの祖父母に、育てられるんだ」

確か、女の方はもう、両親はいないはずだ。


となると、男のほう、父方か・・・


「今の記憶は残したままの転生なのじゃ」

神様がいきなり入ってくる。

「さっき知りましたが、いきなりで、びっくりするじゃないですか・・・」

「すまん、すまん」


たく・・・


「で、いつ転生するんですか?」

「来年じゃ」

「早っ、とういうことはもしかして・・・」

「そう、出来ちゃった婚じゃ」

いいかげんな2人だ。


「あの二人は、授かった婚と言い張るけどね」

紅葉がいうが・・・

さすがに、バカップル。


「それじゃあ、そろそろ行きますか。勇気くん」

「どこへ?」

「来世への出港のための、船着き場へ」

紅葉に手を引かれる。


「ふたりとも、20歳の誕生日の時に、わしが詳しい指令をだす。

それまでは、気付かれぬように過ごすのじゃ」

言っても、信じないだろう・・・


船着き場着いた、

神様に見送られる。


いいのに・・・


「では、勇気くん、出港よ!」

船には大勢の魂が、乗っている。


この魂たちとは、関わるのだろうか?


「関らないぞよ」

へいへい

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