第4話 親は選べない

「冗談じゃ」

こんな時に、冗談は止めて下さい。


紅葉は笑ってる。

いじめの助長か、この女・・・


「で、本当の理由は何ですか?」

「紅葉から訊いておらぬのか?」

「ええ、詳しくは・・・」

「そっか・・・」

紅葉は笑ってる。


だから、お前もなんか説明しろ・・・


「で、どうやって人類を滅ぼすんですか?」

「おいおい説明する」

「おいおいって、いつですか?」

「お前たちが、転生した先の20歳の誕生日」

えらく、先だ。


「大丈夫、私たちは今の記憶を持ったままだから」

紅葉がいきなり、口を挟んできた。


「いろいろ、準備があるからの。20歳までは、普通の双子の姉弟として、過ごすのじゃ」

「で、どこの国ですか?北の国?赤の国?」

「日本に決まっておろう」

犯罪や災害は多発しているが、諸外国に比べれば平和な国・・・


「で、どんな大金持ちですか?」

「一般家庭に決まっておろう」

「で、両親はどんな人?」

「あの二人じゃ」

神様は、目線をやる。


「ちょっとまて、あのふたりは学校でも有名な、バカップルだ」

「そうじゃ」

「やだよ。あの2人の子は・・・」

紅葉に目をやる。


「私も嫌だわ。正直・・・」

「ならなぜ?」

「心配しなくてもいいわよ」

「どうして?」

「あの二人、転生先で私たちが、4歳の時に、事故で死ぬから」

いいのかよ、おい・・・

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