第2話  その理由

「転生?」

「うん」

何を言い出すんだ?この子は・・・


「で、転生ってどこへ?まさか異世界に行って魔王を退治しろと?」

「いやいや、漫画じゃあるまいし」

いえ、こうしてあなたと会ったのも、十分に非現実的ですから・・・


「じゃあ、過去の人物に生まれ変わって、歴史を変えろと?」

「いやいや、犯罪になりますし・・・」

いえ、これも十分に反則ですから・・・


「じゃあ、2次元のキャラになれと?」

「そんなの私たちの意思じゃ、出来ないでしょ」

確かにそうだけど、現時点ですでに、抗ってますから・・・


「過去の自分に戻れと?」

「同じ事の繰り返しだよ。それも違う」

「お互いの立場を入れ変えろと?」

「私は、男は嫌だよ」

俺も、女には生まれ変わりたくない。


「降参?」

「はい。降参します。教えて下さい」

「素敵な、紅葉ちゃんお願いしますは?」

「素敵な紅葉ちゃん、お願いします」

あー、ばかばかしい


「しょうがないな、教えてあげる」

教えてもらわないと、話が進みませんって・・・


「未来人になってほしいんだ」

「未来人?それって輪廻転生じゃあ」

「違うんだ。今の記憶を持ったままだから」

「記憶をもったまま?」

「うん、全てね」

時々、聞く話だ。


「私と君は、双子の姉弟だからね」

「で、何のために?未来を変えるため」

「当たらずといえども遠からずかな」

どういうことだ?


「率直にいうと、人類を滅ぼすんだ」

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