真剣師事件・五


吸血鬼には三つの意味がある。

単なる化け物として知られている、月姫、メルティブラッド、Vermilion -Bind of blood、HELLSING、悪魔城ドラキュラ、ヴァンパイア、トリニティブラッド、東方project、物語シリーズ、BLACK_BLOOD_BROTHERS、銀狼ブラッドボーン、血界戦線、Dies irae、吸血鬼ハンターD、ジョジョの奇妙な冒険、ざっとこれだけが普通にいる、しかし、現実には血液成分のある成分が人間には有毒なため医学的にはいないとされているために、ヴァンパイアフィリアとして他者の血を吸う者しかいない。腐った血液や肉を食べた事による病気はパプアニューギニアの人食族であるフォレ族のクールー病が有名だ。多くはヴァンピリズム上の吸血鬼崇拝しかない。


二つ目は用語の転用として、無慈悲に人々から利益を搾り取る人間なども指す、ヴァンピリズムには苦労して得た利益や財産を奪うこと・搾取・略取・他人(男)を食い物にすることという意味も含まれてる、かつて手配師という非合法的な活動はやがて派遣会社に合法化されてしまい、この派遣会社に沢山吸血鬼はいる、もちろん、金融家、投資家、富裕層の一部だって金啜りの吸血鬼だ。政治家なんて血税を暴飲している腐れ外道だ。


三つ目は殺人教唆をするモノである、それもかなりの確率で異常犯罪になり探偵が必要な謎多き犯罪は吸血鬼が仕向けた娯楽である、しかし、主人公はまだ人探しという一般的な探偵の枠に収まっていて真の探偵にはまだ覚醒していない、真の探偵になるということは吸血鬼と推理勝負をしていくということだ。



アンタレス・ヴィクティムのヴィクティム家は数百年も前からヴァンパイア・ハンターをしている家系である、同時に探偵一族としても有名である、ゆえに、アンタレス・ヴィクティムのスティレットの先から垂れ流される毒液は浄化の紫と呼ばれ、吸血鬼を殺すために用いる、サマエル・チェス盤返しという悪人の気持ちになって大胆な発想転換をする推理術も彼にはある。


バールベリトもミクラトンテクートリも吸血鬼であり、吸血鬼としての魔名として悪魔や神話の名前を勝手に拝借している、こういうタイプが一番面倒である。


そして、この老人は吸血鬼の『使い魔』と呼ばれる存在である事は間違えない、『使い魔』=『吸血鬼のなんでも屋』であり、『使い魔』は吸血鬼ではなく『鬼』に近い、鬼は異界からの侵略者であり西洋東洋問わず外国からの異邦人とされている、彼等は圧倒的膂力と戦闘スキルを持っている。


「日本では土蜘蛛と言うんでしたっけ?」


老人は頭を横にふる。


「あんな奴等と一緒にするな、あれらは『まつろわぬ民』、我々は何だろうな、貴様程度に言ってもいいのか」


この会話の直前、バールベリトが人質にする宣言をした瞬間、ガンブレードで両足の太ももを攻撃した、それで行動不能になった、気合いと根性があれば別だがバールベリトのような悪魔には無理な話だ。老人はその傷つけた足を踏みにじりながら続けて言う。


「高位市民は吸血鬼を三つの意味のそれぞれ含んでいる、ダークトライアドというナルシシズム(自己愛性)、サイコパシー(精神病質)、マキャベリズム(目的のためなら手段を選ばない)という三つの悪の特性の総称の言葉があるが、吸血鬼は人の血肉を啜る、人の金を奪い去る、人の命を弄ぶ、この三つの悪の性質の総体をダークトリニティと呼ぶのじゃよ、わしは強すぎるだけで人の命を弄ぶ事しか出来ないのじゃよ、若造ボーイ



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