有栖摩武装探偵社解体指令
(受付済)最終依頼:世界滅亡時計
依頼主:第2コロニーマスター スクルージ・バンクシー
姫木眞白を排除しろ、今すぐに。(鉛筆書き)
※依頼補足
バンクシーは、依頼書を書くインクもケチったようだ。
カンパニーは、第2コロニーに寄生した巨大組織「有栖摩武装探偵社」の解体を正式に決定した。彼らは、カンパニー社会のありとあらゆる利権に忍び寄り、寄生することで、その甘い蜜を吸っていた。吸い取られた利益は天文学的数字であり、コロニーマスターのバンクシーは、彼らが弱り、奪われた利益を取り返す機会を虎視眈々と狙っていた。
ようやくその時が来た。だが、事態は急展開を迎える。
初めにその兆候に気が付いたのは、謎の美少女情報屋Dと名乗る少女だった。
カンパニー全体の物価が、ある時点から急上昇しており、特に第2エリアでは様々な会社の株価が俄かに高騰し始めた。バブル経済の到来である。
証券取引所では、ありとあらゆる異世界の株がスポンサーたちによって買われ、もはや制御不能の熱狂に包まれている。
それと同時に、バンクシーに対してどこからか殺害宣言が出され、実際彼の住居ビルのすぐ近くでヘリコプターがビルに衝突する事件が発生した。そのせいでバンクシーは、お得意の「価値転換術」が使えない。
謎の美少女情報屋Dは、このままでは数日以内にバブルが限界を迎え、カンパニーに出回っている貨幣は大暴落すると予想。試算によると、最悪――――
908溝6519穣5024𥝱3594垓8349京9283兆6857億6135万1700円
規模の経済損失が発生。カンパニー社会どころか、カンパニーと取引がある異世界まで含めて丸ごと滅びる恐れがある。
このマネーゲームを仕掛けた張本人こそ、有栖摩武装探偵社の元代表『銀星』眞白。彼女はオーロラ現象を独自に解析し、なんとカンパニーの輪転機を複製。無限の資金力を手に入れ、ありとあらゆる株を買いあさっている。
すべてを崩壊させる、恐ろしい計画を止めろ。
勝利条件:
「世界滅亡時計」の停止
特殊勝利条件:
眞白の撃破
敗北条件:
バブル崩壊
ターゲット情報
【名前】『銀星』眞白
【性別】女性
【出現場所】第2エリア
【手配度】★★★★★
【武器】拳銃「イーハトーヴォ」
二丁拳銃。見た目は日本式拳銃ニューナンブに似ている。
この拳銃を撃つと、命中「させようとしている」場所に弾丸を「生やす」ことができる。対策は、銃弾が実現化するまでの間(約1秒)に破壊すること。オーロラバースト現象を、彼女独自の術式で発現させた、稀有な銃である。このため、眞白は空間断絶結界越しに敵対者に銃撃ダメージを与えられる。テラ理不尽。
ただし、普通の人が撃っても何も起こらない。使用にはかなりの術知識が必要になる。
【特殊能力】
高速複式詠唱:術を同時に3つ発動できる。とにかく滅茶苦茶なまでに術が飛んでくる。
銀星の巫術:既知の魔法魔術を体得しているだけでなく、その全てを最高の水準で行使する。術の多彩さなら某日和に匹敵し、すべてではないがそういった系統の術式ならほとんど使える。ただし、発動媒体に術符を使用するので、術符を破壊すれば発動は防げる。
秘術符:上記の魔術に加え、彼女独自の術札を操る。ほとんどの札には使用回数上限がない。
『消鎮の呪符』:無数の札を一斉展開し、札からは高威力の灼熱光線が発射され、札を破壊しない限り止まらない。
『烈将の呪符』:全長2メートルほどの大きな札が、回転しながら空間ごと切り裂く。
『慈母の呪符』:全ての能力が徐々に低下する結界を生成する。最大4分の1まで下げる。
『虚空の呪符』:眞白と周囲の間に空間断絶を作ることにより、理論上どんな攻撃も届かないようになる。突破するには無理やり空間を曲げる工夫が必要。ちなみに眞白は気圏外でも行動できる。
『黄昏の呪符』:すべての「消費するもの」を2倍にする。2倍疲れやすくなる。
秘宝『免脱符』:3回致死ダメージを受けても再生する。ただし、1回でも致死ダメージを受ければ、眞白は敗北を認める。
仲間呼び:「武装探偵社突撃隊 (ザコ敵)」を無限に動員できる。
【容姿】
本来姫木眞白は白髪で、赤い袴の巫女服を着ている。耳は狐耳で腰には白いモフモフの尻尾が一本。身長140センチ、背が低くておまけに寸胴と、体格には恵まれていないが、顔はなかなか。
ただし、本気を出した眞白は白髪は銀髪に変わり、黒かった瞳は金色に輝く。
有栖摩武装探偵社の代表。『銀星』の眞白。妖狐ではなくあくまで狐人である。
かなりチャランポランなおばあちゃんで、おまけに性癖が凄まじい勢いで腐っている。
男性を見ると、見境なく「掛け算」の妄想に突入し、その言動で相手の士気を挫く。現在のマイブームは「謎の覆面ヒーローH × 陽向夕陽」で、日向夕陽のあまあま攻めだとかなんとか。実に悍おぞましい限りである…………
彼女は自らの娯楽のために、かつて弱小だった有栖摩探偵社を乗っ取り、いつの間にかカンパニー社会に根を張る巨大な裏組織へと発展させた。眞白にとって、これも余生の楽しみであり、自分の人生史を彩る遊びに過ぎない。
そして、有栖摩武装探偵社が解体されると察知するや否や、カンパニー社会に対し最初で最後の大攻勢を仕掛けた。
とにかく勝負事が大好きな面倒な性格なのだが、こう見えてもわずか90年で巫術の神髄を極めた異端の天才である。
彼女の真の実力を知る者は殆どいない。相対した者は、魂ごとかき消されてしまうからだ。生半可な覚悟で彼女に挑んだ愚者は、自らの驕りを後悔することになる。
現在、眞白はP.W.ヒルズという第2コロニーにある超巨大ビルを丸ごと占拠しており、ビルの奥深くにある「会長室」で挑戦者を待ち受けている。
ビル内部は眞白の術によって内部構造を変化させられたせいで複雑に入り組んでおり、どこかで壁をぶち抜いて進まないと、たどり着くまでにカンパニー経済が崩壊する。
会長室には、眞白が集めたコレクションのほかに、奥座敷に輪転機(お札を刷る機械)と、経済AIが稼働するオリハルコン製コンピュータサーバがある。この一式こそが「世界滅亡時計」である。
放っておくと、金と株を発行し続け、2日以内に南海泡沫事件ばりの大被害が発生するほか、この機械が動いている間に第2コロニーで何かとんでもない被害が出ると、社会不安の影響でバブルがはじける。あと、せっかくハンターたちが稼いだお金が一気にチリ紙同然になる。
逆に言えば、この機械さえどうにかすれば危機は去る。
膨張したバブル経済は、そのうちバンクシーが彼の能力で何とかしてくれるだろう。
台詞候補
「こやっ、こやっ、お主にとっては人生最後の瞬間じゃ、 本物の魔術を見せてやろう」
「我は森羅万象の主、極北星の持ち手なり! ワシが使えぬ術などこの世にありはせぬよ!」
「馬鹿としか言いようが無い愚か者じゃの!」
・メタ情報
有栖摩武装探偵社の代表、姫木眞白。前回の社長戦争で、ついぞ見ることがなかった彼女の本気。だけど、こやこや言っているのを見ると、ハンターを本気で殺す気はなさそうだ。一応3回まで復活できるが、1回倒せば彼女は敗北を認めてカンパニー世界から立ち去る。
アホみたいに強く、よほどのことがない限り理論上に倒せない可能性が高いので「世界滅亡時計の破壊」の勝利条件を狙うのが現実的。眞白は世界滅亡時計を守りながら戦うが、頑張って引き離し、機械を破壊すべし。
なお、どーしても勝ち筋が見えなければ、ネットからハッキングして電子戦を行い、データの方から世界滅亡時計を破壊するという手もあるが、それで面白いかどうかは作者様方にお任せします。
能力的には、魔力と魔法防御力が滅茶苦茶高い。神竜のブレスすら効かない理不尽な相手。物理攻撃しか手はないが、浮いている眞白の周囲は球状に空間断絶結界が張られており、ダメージを与えるには空間跳躍か空間歪曲の手段を用意しなければならない。
なお、この依頼は勝利条件を達成しただけでは終わらない。
依頼主のバンクシーは、討伐の功績を上げたハンターに「直接手渡しで」報奨金を払うと言っている。
そして、ハンターの前で「プライスレス」を発動し、ハンターが報奨金を辞退することを狙っている。最後まで気が抜けない依頼である点に注意。
『アッシュワールド・ターゲット』~荒涼灰世の有栖摩武装探偵社~ 南木 @sanbousoutyou-ju88
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