第11話

キーンコーンカーンコーン…

「ようやく放課後か…」

俺は急いで帰りの支度をすると逃げるように教室を出る。そして学校の敷地を出るまで走った。

「はぁ…」

そして1人になったところで息を吐く。

「…助かったけど何も学校まで来なくてもいいのにな」

というか生徒会長が学校を抜け出していいのか?先生とかにバレたらまずいだろうに。

「…あいつは誰からも好かれるんだよな」

あんな風になれたら、俺ももっと変われる…のか?

「…いや、委員長も俺は俺だって言ってたしな!」

俺は別にあいつになりたいわけじゃない。だから、何も気にする必要はないんだ。

「ただいまー」

誰もいない部屋に向かって声をかける。これだけ見るとかなり寂しい人だがいつもの習慣なのだ。

「…よし」

たまには俺が晩御飯を作ってみるか。いつもは真央に作らせてばっかりだからな。俺は荷物を置くとキッチンへと向かう。

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