第10話

「ど、どうした?真央」

「あ、お兄ちゃん?もー!お弁当忘れてたでしょう?」

「あ、ああ。届けてくれたのか」

「そうだよ。今正門のところにいるから早く来て」

俺は電話を切ると、急いで正門に向かう。靴箱から外に出ると正門のところにはかなりの人がいた。

「真央、来たぞ」

「あ、お兄ちゃん。はい、これ」

真央はお弁当を俺に渡すと頭を下げた。

「じゃあ、この辺で失礼します。お兄ちゃんのことお願いしますね」

そう言うと真央は走って帰っていった。

「やっぱり桜庭くんの妹さんって可愛いよね〜」

そんな声がそこらかしらから聞こえてくる。俺は途端に居心地が悪くなり中庭へと戻っていった。

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