第9話

「まじかよ…」

俺は頭をガックリと落とす。午後のことを考えると気が重かった。なんだか正門の辺りが騒がしかった。俺は様子を見に行こうとする。

「あなた、桜庭くんの妹さんよね?可愛い!」

「どうしたの?」

「は!?真央!?」

正門にいたのは真央だった。なんで、あいつ…!

「あの、お兄ちゃんいますか?」

「桜庭くん?誰か見た?」

「私、中庭で見かけたよ」

「あ、そうですか!ありがとうございます」

「いいのよ、別に」

「それ、渡すの?」

「あ、はい。お兄ちゃん朝忘れてたみたいで」

「そうなんだ。でも、入っていいのかなぁ?」

「大丈夫じゃない?今昼休みだしちょっとだけなら」

「いえ、お兄ちゃんに電話してみます」

ピルルルル…ッ

俺の携帯電話が鳴り出した。俺は電話に出る。

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