第6話
ガラッ
俺が扉を開けると教室は一瞬静まり返ってすぐ元に戻る。もう何度も経験しているがやはりこういう空気はなかなか慣れない。
「はぁ…」
自分の席に着くと椅子に深く腰掛けた。
「…やっぱりすごいんだな、あいつ」
俺はふと真央のことを考えた。少し離れたところにある中学なのにここまで噂が広がってるみたいだ。
「桜庭くんの妹さんってすごいんでしょ?」
「成績優秀で運動も出来て、その上学校の生徒会長もやってるんだよね」
クラスの中にはあいつの噂が広がっているみたいだ。それと同時にこんな声も聞こえて来る。
「…それに比べて桜庭くんってなんかパッとしないよね」
「うん、あんまり似てないっていうか…」
俺はそれ以上聞くのが嫌になって耳を塞いだ。…そうだよな。俺とあいつは全然似てない。でも、それを他の人に言われるのはなぜか…納得がいかないんだ。
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