第5話

「もう、なんで先に行っちゃうの!」

「…別になんでもないよ」

「なんでもないで、逃げないでよねっ!田中さんもびっくりしてたよ?」

…別に逃げたわけじゃない。ただ、あの場に居たくなかっただけだ。

「ほら、早く行かないと遅れるぞ。生徒会長が遅刻したらまずいだろ?」

「えっ?もうそんな時間!?お兄ちゃん先に行くね!」

真央は二つに結んだ髪をなびかせながら中学校に向かって走って行く。俺も自分の高校へと向かって歩みを進めて行った。

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