第2話 サラマンとラスエルの日常その1
「ただいまぁ~」
「たらいまあ!」
山本とラスエルは自宅に帰ってきた。このマンションの階層丸々繋がっていて、山本の家である。
「うーん、時差ボケ。お風呂入って寝ましょうね」
「えー!もう寝るのー!?」
「飛行機の中でも寝てたけどね。やっぱりちゃんとお布団で寝なきゃ」
「人間ってそんなに寝るものなの!?」
「ラスエルも寝てたよ。ご飯食べた後」
「む?寝るとは一体?意識が途切れたような感覚はあったけど!」
「それが寝るってことだよ」
「おとうさん!寝ると気絶の違いはなんですか!」
「え・・・なんだろうね。意識が途切れることは同じだと思うんだけど、健康的かどうかかな?」
「健康的とは一体なんですか!」
「なんだろうねぇ・・・」
山本はラスエルのパジャマがないことに気づいた。そういえば生活品一式準備しなければならない。
「ラスエル、パジャマを買いに行こうか。私服も一着買って、続きは明日ゆっくりということで。後は歯ブラシとか、食器とか」
「お出かけだね!」
二人は車に乗り込んだ。
「おとうさん、そっち座りたい!」
「お、ちょっとハンドルいじってみるか?」
ラスエルを膝に乗せる。
「ぶるんぶるん!んごごごご!」
しばらくラスエルはハンドルで遊んだ後
「じゃあ、エンジンつけて!」
「じゃあ、ラスエルは席移りましょうね」
「いやだあ!」
「ダメです!危ないです!」
「確率操作でどうとでもできるもん!」
「ダメなものはダメです!」
「いいいいぃやぁだぁ~!」
「だめぇでぇすぅ~!」
ラスエルを座席に移した後、チャイルドシートが居るなと山本は思った。
買い物は近場でさっさっと
「パジャマ、これ着れるかなぁ」
「シェクシーなパジャマがいい!」
「体が大人になったらね?」
「うえ~」
「子供の間にしかできないことしておこうね」
「一理ある!うぬぬ!」
子供用にセクシーなパジャマはないんじゃないかなぁ
「私服はとりあえずこれ一着でいい?また明日改めて買いに来ようね」
「おとうさん!スカートは嫌なり!パンツが見える!」
「そうかぁ、短パンにしようね」
「おとうさん、服のセンスがシック!」
「色んな服で着せ替え楽しもうね~」
「大事件!着せ替え人形にされるラスエル!」
「歯ブラシはこれでいいね。歯磨き粉は甘いのを買おうね」
「そのまま食べられるやつ!」
「最近はそういうのも出てるけど、ちゃんとぺっしようね?」
「もぐもぐごっくんちょ!」
「だめです!」
「お菓子用と歯磨き用に2本買うのは?」
「お菓子は別に買っておこうね・・・」
山本とラスエルは家に帰ってきた。
「さぁ、お風呂いれるぞ~ここをピッと押すだけ」
「押させて!おとうさん!」
「ほい」
ラスエルを持ち上げる山本!
「ほわっちゃあ!あたたたたた!」
「連打はダメです!ストップ!ストップぅ!」
ラスエルのネクタイを解いて、スーツを脱がせ、風呂場に追いやった。
「ほああ!ゆげぇ!」
「まずはかけ湯をするんだよ。わかるかな?ラスエ・・・」
「うぃーきゃんふらい!」
湯船に飛び込むラスエル。黒い石で円形にできた豪華なバスタブで、泡が出る仕様だ。
「こ、こらー!」
「そして、泳ぐのである!ふはははは!」
これが受肉した使徒のテンションなのか。
風呂場での遊びは続く。
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