五年以上経過してからの後書き ~ちょっと言いたいことがあったので~
この短編を発表してから五年以上も経っているというのに、なぜ今になって後書きを……と思われる読者の方もいらっしゃるかもしれない。しかし最近、私は誰かに言いたくなるようなことができたのだ。その出来事について、どこで書いたら良いのだろう。そのように悩んだ結果、ここに書くことにした。だが、その前に当作品について話をさせていただきたい。
この『エンカウンター・アンド・ストップ』という作品は、初めて開催されたKACの第10回目(最終回)のために書いたものだ。お題はカクヨムのイメージキャラクター「カタリィ・ノヴェル」(以下、カタリくん)あるいは「リンドバーグ」(以下、バーグさん)とのことだった。この二人のどちらかを作品に登場させれば良かったのだが、私が思い浮かんだアイディアは二人が登場するストーリーだったのである。
そしてカクヨム公式で発表された、お題に関する説明には気になるワードが何度も出てきた。それは「トリ」という固有名詞であった。
トリは出ても出なくても構いません。
トリは登場必須ではありません。
なお、作中にトリが登場するかどうかは問わないものとする。
大切なことなので、三回も伝えてくださったのだろうか。それとも何なのか。あの件に関しては、未だに謎である。ちなみに三回目のトリアピール(?)は、赤い太字で表示されていた。どうしても気になって仕方がなかった私は、作品の後半にトリを登場させたのだった。また、やはりかわいいから出したかったというのもある。「しつこいからトリのことも書いてやったよ」なんて決して思っていない。
当作品を書き終えた後は「これで大丈夫だろうか」と心配だったが、読んでくださった方々から優しいコメントをいただいて安心した。レビューもいただけて嬉しかった。公式のお題とはいえ、自分ではない方が作られたキャラクターをお借りしたので、失礼のない物語を書けたのかどうかが不安だったのである。
そんな私だったが、数年後のKACではトリがメインの話を書いている。お題が「トリあえず」だったので、ためらわずにトリの物語を書くことにしたのだ。作品名は、そのまんま『トリあえずの話』だ。
その『トリあえずの話』を書いた数ヶ月後、私の元にトリがやって来た。KAC2024の皆勤賞受賞者対象のカクヨムオリジナルプレゼントに当選し、トリのぬいぐるみストラップが贈られたのである。
しかしトリが私の元に来たのは、これが初めてではなかった。実は私は、その前にもトリのぬいぐるみストラップをいただいていたのだ。つまり私の元にはトリが二羽いるということだ。
一羽目のトリは、カクヨムコンテストの企画でいただいた。締切までに10万字以上の作品を書いた参加者の中から、抽選で贈られるものであった。その対象となった作品が『空にコトリ。』という長編で、本当に偶然だとは思うが「トリ」がタイトルに入っている。だがコトリ(飛永琴梨)は鳥ではなく、人間の女主人公だ。
私が誰かに言いたかった出来事は「自分の元にトリが二羽いる」ということである。まさかトリが二羽も私の元へ来るとは思わなかった。こんなこともあるのか、と私は驚いた。もしかしたら、既に三羽以上のトリを迎えられた方もいらっしゃるのだろうか。
最後になるが、私は最近気付いた。初のKACでカタリくんやバーグさんのように、はっきりとお題にはされなかったものの、何だかんだでカクヨム公式に出ずっぱりなキャラクターはトリではないかと。この先、二次創作のジャンルに「トリ」を追加される気がしなくもない。
エンカウンター・アンド・ストップ 卯野ましろ @unm46
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